Belphegole&Mammon
□バレンタイン
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「マーモン♪」
「ちょ、何ベル。そんなに強く抱きしめないでくれないかい?苦しい」
「ししっ、やーだ♪だって俺、王子だもん」
「…それ何の理由にもなってないよベル」
「マーモンは王子に抱かれるの嫌なのかよ?」
「ムムム・・・、嫌じゃ、ない…///」
「じゃぁいいじゃん♪マーモン大好き!」
そう言いながらベルはまた僕を強く抱きしめる。正直言って結構苦しいのだけど、ベルが僕を好きだからこういう事をするんだ、と思えば全く苦にならない。むしろ、嬉しい・・・
話は変わるけど今日はバレンタイン。女性が好きな男性にチョコをあげる、という日だ。
けど僕はチョコなど作れないから買ってベルにあげようかな、と思っていた。去年は頑張って1人でなんとか作ってあげたんだけど食べたベルが「辛っ」と言って2時間くらい倒れてしまったんだ。だから今年は絶対買ってあげるんだと思っていた。なのに・・・。
『まぁマーモンちゃん♪どこに行くのぉ?』
『・・・チョコを買いに。』
『まぁ!ベルちゃんのねぇ!』
『ム、そうだけど・・・』
『なら買わないで作らないと♪』
『ムム、嫌だよ。僕料理下手だから・・・』
『ふふ、大丈夫よ♡私が教えてあげるわぁ♡』
『ムムムム…。って、ムギャァァ!?』
僕は妙に張り切ったルッスーリアに連れていかれ、キッチンに行った。そして半ば無理やりな形で僕はチョコを作った。今年はルッスがいてくれたからか、去年よりも上手にできた。
そして今、ベルの部屋にいる僕とベル。僕のコートのポケットには綺麗にラッピングしたチョコが入ってる。いつ渡そうか・・・
そう思って悩んでいると、僕を抱いていたベルが口を開いた。
「なぁマーモン」
「何だい?」
「今日はバレンタインじゃん」
「・・・うん」
「だから、俺にそのチョコ頂戴♪」
「ム?!ベル」
「しし、何?」
「・・・ベルもしかして気づいてた?」
「ししっ、王子は天才だからね♪」
「はぁ…。まぁいいや。これ、あげるよ」
チョコのことに気づいてたベル。そのことに少し悔しかったけど、ベルに作ったチョコをあげる。受け取ったベルは凄く嬉しそうで少しだけ赤くなっていた。
「開けてい?」
「いいよって言う前から開けてるじゃないか」
「ししししっ♪あ、そうだマーモン!」
「ム、何だい」
「王子マーモンの口移しで食べたい♪」
「は?自分で食べなよ。」
「マーモンに拒否権なんかねーし♪」
「な、ムギュっ、」
そう言うとベルは僕の口の中にチョコを放り込み、キスしてきた。そして口内にあったチョコはベルが全て食べた。
「ししっ、ごちそーさん♪美味しかったぜ、マーモン♪」
「自分で食べた方が早い気がするんだけど」
「マーモンのチョコをマーモンの口で食べるっていいじゃん♪美味しいしさ♪」
「・・・なら、いいけど///」
まぁ、ベルが喜んでくれたならいいや。ベルのために作ったんだしね。
「ベル」
「ん、何?」
「・・・・tiamo」
「うししし♪マーモン愛してる!tiamo」
「ずっとずっと愛してるぜ、マーモン♪」