Belphegole&Mammon
□ばか。
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「ベルの・・・ベルの馬鹿!」
「はぁ?王子馬鹿じゃねーし!馬鹿なのはマーモンだろ!?」
「ふん、もう君なんて知らないよ。大嫌いだ!!」
「・・・ふぅん?王子も嫌いだし。」
ベルと、喧嘩をした。理由は、僕のとある発言。けど僕は悪くない。ベルが勝手に誤解しただけなんだから。
『ねぇマーモンちゃん?マーモンちゃんはスーツ似合う人って好きなのかしら?』
『ム、急になんだい?』
『いいからいいから♡』
『そうだな・・・。僕はどんな格好でもいいけどどちらかと言えば好きだよ』
『あらそうなのね♡ありがとマーモンちゃん♪じゃぁねー』
『?うん』
この会話を偶然聞いていたベルが僕がベル以外の奴を好きなんだと誤解したらしい。全く、この会話のどこにそんな要素があるのか教えてほしいくらいだね。
第一、僕はこの時スーツで思い浮かべたのはパーティとかのベルなんだ。ベルはいつもボーダーばかり着てるからスーツを着るといつもよりかっこよく見えるんだ・・・。
なのにあの馬鹿王子は僕があのリボーンを好きだと思ったらしい。そんなわけあるはずがないのにね。僕はリボーンなんか大嫌いなのに。僕に会うといつもチビチビ言うし、酷い時は貧乳なんて言ってくるんだ。そんな奴のことがどうやったら好きになれるんだよ。理解に苦しむね
・・・けど僕も言い過ぎたかもしれない。大嫌いなんて。まぁベルが悪いんだけど。仕方ない。僕が王子様の誤解を解いてあげようじゃないか。我儘王子様のね。
*****
『コンコン』
「入るよ、ベル」
ベルの部屋に入ればナイフが1,2本飛んできた。−これが仮にも恋人にする事かかい、と思ったけど今は我慢だ。後で金をふんだくればいい。
ベルを見つけるために部屋を見渡すといつものベッドの上でだらしなく寝転んでいた。この場合だらしなく、というかショゲているんだな。全く困った王子様だな
「ベル?」
「・・・」
「まだ怒ってるの?」
「・・・知らない」
「ベル・・・、さっきは大嫌いなんて言ってごめんね?」
「やだ。」
「悪かったよ。」
「・・・」
「僕がベルのことを嫌いな筈がないだろう?」
「・・・当然だし」
「だったら許してよ」
「・・・なぁマーモン」
「なんだい」
「マーモンは、沢田んとこのスーツ男が好きなの?」
「違うよ。大嫌いだ。」
「本当?」
「本当だよ。僕が嘘をつくわけがないだろう?」
「・・・そうだな。」
「僕がスーツが好きって言ったのはね、ベル。・・・君のことだったんだよ」
「は?なんでだよ。」
「君は・・・、スーツを着たらいつもよりその、かっこいい、から・・・」
「っ!」
「だから、その、スーツが似合う奴は好きだって言ったんだ。なのに君は、ムギャ!?」
言っている途中で視界が真っ暗になった。ベルに抱きしめられているんだ。ちょっと苦しい。
「マーモン、俺が好きってこと?」
「・・・そう言っているじゃないか」
「ししっ、王子超嬉しいし!俺もマーモン大好きだからね!!」
「う、うん・・・。ありがと」
「あ、マーモン顔真っ赤♪かーわいー♪」
「ムム、赤くなってなんか・・・っ」
「ししし、俺の大好きなマーモン♪愛してるぜ?」
「ムム・・・っ///ぼ、僕もだよ・・・」
そう言うとベルに口づけられた。それはまるで子供がするような可愛いキス。
「ね、マーモン。ちゃんと言ってよ。ちゃんと、好きって、愛してるって、言ってよ」
「嫌だね」
そうきっぱり拒否するとベルの口がへの字になる。また拗ねてしまう、それは避けたいから・・・。
「ムムム・・・。仕方ないね。1回だけだよ」
「え?マーモン?」
「僕は、君を・・・。ベルが大好きさ。愛してるよ。」
「・・・っ!!マーモン!」
自分で言っておいてかなり恥ずかしい。ベルはよくこんなセリフをいつも言えるな。
「むぎゅ、ベル苦しいよ・・・」
「あ、ごめんな?」
そう言って一旦ベルは僕から離れる。別に離れて、とは言ってないのにな
「別に・・・離れて、とは言ってない」
そう言いながらベルの服を掴む。
「ししっ、分かった♪」
そしてまた僕はベルに抱かれる。やっぱり少し苦しいけど、一番落ち着く。
「ねぇベル。僕、君が一番好きみたいだ」
「ししし、当たり前じゃん♪」
END