桜蘭高校ポケモン部

□わかってしまうと…
4ページ/4ページ


鏡夜

とりあえず、俺はミノルに前から気になっていた事を聞いた

「何故、自分が女って事を隠してたんだ?」

俺の問にミノルはタオルを頭から離して
首にかけた
そして、少し苦笑いで答えてくれた

「僕が女って言うとさ、色々面倒くさいんだよね…。」

俺は何故面倒くさいのか聞こうとしたが、
それは三つ子によって遮られた
コーンの腕には先ほどのチュリネがいた

「ミノル、チュリネはもう大丈夫そうです。」
「そうか、良かった。ありがとう三人とも。」
「おう!ま、ほとんどコーンのお陰だけどな!!」

そして、ミノルの正面まで来ると
コーンとポッドは心底驚いた
デントは驚く二人に、「ね?言った通りでしょ?」と頷いた

「…そんな、あなたが…『爽瑠の診断者』!?」
「嘘だろ、まさか本当に『爽瑠の診断者』と会えるなんて…。」

俺はついて行けず
デントに聞いた

「おい、なんだ?『爽瑠の診断者』って。」
「あ、あぁ、『爽瑠の診断者』って言うのは、ミノルの事で、彼女は僕達ポケモンソムリエの憧れなんだ。」
「ほぉ、だが、何故ミノルが憧れなんだ?」

俺の問に次はコーンが答えた

「彼女はSランクソムリエ…世界でも有名なポケモンソムリエです!」
「しかも、名前は有名だけど、テレビとか出ないから姿知ってる人は少ないんだよ…。」

なるほど…
俺達がそんな会話をしていると
ミノルがため息をついた

「だから、バレたくなかったんだよね…ソムリエに会うとこれだからさ…僕って知った瞬間に態度変わったりする人いるし、やりにくくって……。」

俺は納得した
つまり、女だとバレると同時に
自分が『爽瑠の診断者』である事もバレてしまう
だから極力、男のようにふるまっていたのか

「僕、ずっと『爽瑠の診断者』のファンだったんだ…!」

そんなデントの言葉にミノルが
少し冷たく言った

「あのさ、あんまりその二つ名言わないでくれる?誰が聞いてるかわからないしさ。」

すると、デントは口に手を当て笑った

「あ、ごめん…ミノル…。」

そんなデントを見て
ミノルはクスクスと笑った後真剣な顔をした

「…へぇ、僕の正体知ってもあんまり態度変わらないんだ?」
「え!?変えた方が良かったかい?」
「……ううん。そのままでいいよ。ありがとう。」

そう言うと、ミノルは寝る部屋に戻って行った
俺達もそれぞれ自分の寝床に戻った
俺は窓の外に何か黒い人影があったのに気がついたが、気にせずに自室に入った

後にそれを俺は深く後悔する事になる
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ