□いつもの
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いつものことだ。設定した時間にトーストが焼けないのも、おは朝のアナウンサーがうるさいのも、毎朝毎朝真太郎が僕の足にすがりついてくるのも。

「も、もう嫌なのだよ…!×、お願いだ」
「やぁだ」
「、×!!」
「うるさい真太郎」

僕は膝のあたりにあった真太郎の顔を蹴り上げた。その拍子に真太郎のメガネが僕の足元に落ちる。煩わしいから踵で踏み潰した。

「ッあ゛、が」

真太郎は鼻を押さえて白い床にうずくまる。指の隙間から赤い血液がポタポタと落ち、真っ白い床に赤いワンポイントが出来た。汚いな。
真太郎にそこら辺にあったタオルを投げつけると、真太郎は鼻もとにタオルを持って行った。違う、床拭けよ。僕はそう言って真太郎の頭を踏みつけた。

チン、とトースターが鳴る。その時真太郎がひゅっと息を呑む音が聞こえた。

「は…はっ…×……」
「さあ、真太郎。お家に帰ろうか」
「い、やだ、嫌なのだよ、嫌だっ×」
「はいはい、良い子だね真太郎」
「ぎっ、嫌だもう入りたくない、入りたくない!!」
「……真太郎…」
「あっあっ、×、あ」

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