げげげのほんだな

□日本妖怪誘拐事件
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「うぇーい!旦那の負け犬!」
「だまれ!切り刻まれてぇのか!」
今日もことごとく鬼太郎一座にやられた旦那をあたしは盛大に笑った。
「旦那達はいつになったら鬼太郎を倒せるの?ってか、いまのところ全敗ですよね。笑える!」
「おい夜桜。てめぇが言えたことか?猫の野郎におめぇ、やられたって聞いたぜ?」
「は?あのですね旦那、ネコ科とイヌ科どっちが強いと思ってんですか?」
「百獣の王はネコ科だ。」
「あんなのは王じゃない!常に頂点に君臨できるのはイヌ科なんです!」
あたしは九尾狐。狐はイヌ科と聞いたことがある。
「ライオン馬鹿にすんな!」
「イヌ科が最強!」
火花が散る。
「…はぁ、またやってるよあの二人。」
「ほっておくのが一番じゃ。」
「そうだな。ぬらりひょん様に見つからなきゃいいけど。」
朱の盆、蛇骨ばばあ、旧鼠はあたしと旦那に手を焼いており、ほとほと困っていたのである。
ぬらりひょん様もやはり困っていて、見る度にイライラすると言っていた。
「旦那なんてもう知らない!」
「好きにしろ!」
あたしはこれで何回目かになる家出を決意した。
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