びーえる

□まさかさかさま
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「おい、いつまでねてんだよ。」
頭からかぶせられたのはバケツ一杯の塩水。…海か…。
「ったく、せっかくの時間が無駄になっちまうだろうが!」
「…ん…。」
野太い声が聞こえ、周りからは下衆な笑い声が飛び交っていた。
太陽の日差しですぐに海水は乾いた。
どうやら何処かの船…いや、丸太でできたいかだのようだ。
「船長、どうする気だよそいつ。」
「ぁあ?たっぷり可愛がってやるんだよ。」
「女にモテないからって、それはないでしょう。」
「ついに目覚めたか。」
「これもまた運命、げふっ!」
可愛がる…?なんの話だ。
「よくみてみろよ!顔は申し分ないぜ?女だよ。」
「頭いかれてませんか?」
俺が…女!?
「ふ、ふざけんじゃね…ぅ…」
身体の節々が痛む。
改めて自分をみてみると、服は破けボロボロになっており、髪の毛には血がこびりつき、多数の痣が露出したはだから見えた。
「…な……」
「たすけてもらったのに礼のひとつもねぇのか?元七武海だろ?」
元七武海?たすけてもらった?
だめだ、余計こんがらがってきた。
「でもよ、これで船長より年上だぜ!?おかしいよな!」
「うるせー!俺は老け顔なんだよ!」
船長と呼ばれた男は俺に顔を近づけ、酒臭い息を吹きかけ大爆笑した。
「なんだ?なにもおぼえてねぇのか!?かぁー!お気楽なやつだぜ!」
「…な、なにが起こって…いる?」
「船長、さっさと概要を話してさしあげたらいかがですかな?」
「ったく、めんどくせぇな。お前は七武海だった。でも、麦わらの奴にぶっ倒されて、悪事が全てばれ海軍につかまり七武海の称号を剥奪された。アラバスタでな。」
…そうだ!奴に倒されたんだ。
そのあとからは記憶がないが、海軍にバレたか……。
「そして、たすけてもらった。これは俺が海軍からお前を解放したことを意味する。」
「海軍…から?」
「そうだ。てめぇを連れてインペルダウンに行くんだよ。」
な!?イ、インペルダウン!?
「くそやろ…ぅうっ!」
「おとなしくしてないとだめだぞ…ゲフッ…」
「船医が言ってんだ、暴れるんじゃねぇ。」
くそっ!なにがどうなってやがる!
アラバスタで起こったことは認めるが、海軍から助けてもらった!?ふざけてる!
「船長、私見物させてもらっても?」
「まったく!趣味の悪ぃ男だぜ!」
「船長に言われたくねぇよな!ウィーッハハハハハハ!!」
「変態どもが。」
「オーガー、お前が一番変態だと俺は思っている…ガフッ!!」
こいつらはいったい、何が目的なんだ!?
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