裏僕小説その5
□「メリークリスマス!みんなが幸せになれますように」
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「…と、言うわけなんよ。ソドムの夢を壊さないついでに、今年は盛大にクリスマスパーティーを企画しようかと思ってネ」
「ふむ。そういうことなら、フィンランドとグリーンランドから100人ずつサンタを派遣するが」
「あはは、悪くないけど、それだと世界中のクリスマスにサンタが不在になるからね。サンタに関してはボクに任せて、総帥にはどーんっとでっかいクリスマスツリーを用意して欲しいんよ。あ、かっちゃんお手製のパーティー料理食材費も奮発してね!あとはー、ドンペリとかードンペリとかー」
「随分楽しそうだな橘。私も、仕事が無ければ是非参加したかったよ。ツリーとプレゼントは私に任せておきなさい。皆があっと驚くツリーを手配しよう」
「うんうん!楽しみにしてるよ。それから、夕月くんに贈る品物だけど、ボクの方でいくつか見繕ってみたヨ」
年に一度のイベントが近づく中、街はそれぞれに活気づき、煌びやかなイルミネーションやライトアップが施されている。
結界の中に佇む、普段は閑静な黄昏館も例外ではなく、クリスマスイブに向けて賑やかな空気に変わりつつあった。