裏僕小説その5
□名探偵藤原彌涼の事件簿「黄昏館アイスクリーム殺人事件」
2ページ/9ページ
AM:9:00
その日、館長の祇王橘は外出帰りにコンビニでアイスを買い、黄昏館に帰宅した。
これが一連の事件の始まり、恐怖と戦慄に支配された、休日の出来事である。
橘「皆、揃ってる〜?コンビニでアイスを買って来たヨ!好きなの選んでネ」
焔椎真「おっ、気が利くじゃねえか橘!」
黄昏館に居た全員を談話室に集め、橘はコンビニのレジ袋からアイスを取り出してテーブルに並べた。
焔椎真「じゃあ俺は―」
斎悧「待て焔椎真。レディーファーストだ。女性が先に選びな」
さすが、斎悧は女の扱いも徹底しているな。まあ、こんなことでレディーファーストを気取るのもどうかと思うが。
リア「じゃあね〜、私は「あいすの芽」にする!十瑚ちゃんは?」
九十九「十瑚ちゃんは「白見だいふく」にしなよ。俺とひとつずつにしよ?」
十瑚「そうね、おもちの中のミルクアイスがおいしいのよ。あたし達はこれね」
リア「綾ちゃんにはコレ、「ダンディーボーデンチョコレート味」。遠慮しないの!」
綾「まあ、私などにも…。ありがとうございます」
遠慮がちに皆を眺めていた綾も、斎悧にアイスを手渡され、嬉しそうに微笑んだ。
斎悧「よし、レディーは全員取ったな。じゃあ俺は「パーゲンダッツ」と」
焔椎真「おめーが一番かよ!しかも高級アイスを選びやがって!」
斎悧「お前に高級品はもったいない」
焔椎真「なんだと!じゃあ俺は、「暗治ラッセルハイパーカップ」にする!バニラ味!愁生は何にするんだ?」
愁生「俺は遠慮…」
焔椎真「んなこと言うなよ、愁生にはこれな!「ザリザリ君カレーシチュー味」!」
愁生「…焔椎真。交換しろ」
なんだ、カレーシチュー味って…。
愁生は焔椎真からハイパーカップを奪い、ザリザリ君を押しつける。
千紫郎「黒刀の好きな「志村屋のアズキバー」があるよ」
黒刀「じゃあ僕はこれにする」
千紫郎「俺は…「牧場すぼり」にしようかな」
橘「かっちゃんには「チョコモナカサンボ」ネ!」
遠間「わ〜い!橘さんがようやく僕にまともなお土産を!ありがとうございます〜」
ふむ。残ったのは「pepiko」「ジェイアントコーン」「黒くま」か…。