裏僕小説その5

□名探偵藤原彌涼の事件簿「黄昏館アイスクリーム殺人事件」
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AM:9:00

その日、館長の祇王橘は外出帰りにコンビニでアイスを買い、黄昏館に帰宅した。

これが一連の事件の始まり、恐怖と戦慄に支配された、休日の出来事である。



橘「皆、揃ってる〜?コンビニでアイスを買って来たヨ!好きなの選んでネ」

焔椎真「おっ、気が利くじゃねえか橘!」

黄昏館に居た全員を談話室に集め、橘はコンビニのレジ袋からアイスを取り出してテーブルに並べた。

焔椎真「じゃあ俺は―」

斎悧「待て焔椎真。レディーファーストだ。女性が先に選びな」

さすが、斎悧は女の扱いも徹底しているな。まあ、こんなことでレディーファーストを気取るのもどうかと思うが。

リア「じゃあね〜、私は「あいすの芽」にする!十瑚ちゃんは?」

九十九「十瑚ちゃんは「白見だいふく」にしなよ。俺とひとつずつにしよ?」

十瑚「そうね、おもちの中のミルクアイスがおいしいのよ。あたし達はこれね」

リア「綾ちゃんにはコレ、「ダンディーボーデンチョコレート味」。遠慮しないの!」

綾「まあ、私などにも…。ありがとうございます」

遠慮がちに皆を眺めていた綾も、斎悧にアイスを手渡され、嬉しそうに微笑んだ。

斎悧「よし、レディーは全員取ったな。じゃあ俺は「パーゲンダッツ」と」

焔椎真「おめーが一番かよ!しかも高級アイスを選びやがって!」

斎悧「お前に高級品はもったいない」

焔椎真「なんだと!じゃあ俺は、「暗治ラッセルハイパーカップ」にする!バニラ味!愁生は何にするんだ?」

愁生「俺は遠慮…」

焔椎真「んなこと言うなよ、愁生にはこれな!「ザリザリ君カレーシチュー味」!」

愁生「…焔椎真。交換しろ」

なんだ、カレーシチュー味って…。

愁生は焔椎真からハイパーカップを奪い、ザリザリ君を押しつける。

千紫郎「黒刀の好きな「志村屋のアズキバー」があるよ」

黒刀「じゃあ僕はこれにする」

千紫郎「俺は…「牧場すぼり」にしようかな」

橘「かっちゃんには「チョコモナカサンボ」ネ!」

遠間「わ〜い!橘さんがようやく僕にまともなお土産を!ありがとうございます〜」

ふむ。残ったのは「pepiko」「ジェイアントコーン」「黒くま」か…。
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