裏僕小説その4

□天白×九十九「愛玩」
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「総帥、おまち〜。プリントするのに時間掛かっちゃってさあ」

「構わないよ」

軽やかなノックと共に、雑用を頼んでおいた橘が顔を出した。

「内容は頭に入っている。要点だけそこで読み上げてくれ」

「はいはい。それじゃあ、えーと」

橘は、先程まで九十九が独り遊びに耽っていたソファに座り、書かれた書類の内容をかい摘む。

橘の死角、天白の足元には九十九が跪き、勃起した性器を奉仕していた。

音を立てずに陰茎を舌全体を使って舐め、甘い蜜を啜るように亀頭から体液を吸い出してしゃぶりつく。

天白の足元で淫らな光景が広がっているとは露知らず、橘は何も気付かずに説明を続けている。

「―これはあちらから要請があったから、先に警察庁に連絡して―」

手元の資料を見るともなく、天白は何食わぬ顔で聴いている。

時折、悪戯心で九十九の性器を靴の裏で押してやれば、彼は切羽詰まった呻きを漏らしては、堪えるように口戯を続ける。

「…っ…んんっ…」

「―あれ、今なにか言った?」

僅かに聞こえた雑音に、橘はきょろきょろと辺りを見渡した。

「いや、何も聞こえないが。それから、頼んでおいた件はどうなっている」

「ああ、あれね。本家さんに話はつけたから、一両日中には返事がくると…」

守秘義務に関わる彼らの話も、九十九の耳に届いてはいないようだった。

両手で茎を包み込んで、亀頭の先を舌で突く。

倍に嵩を増した天白の性器に、九十九はうっとりと頬をすり寄せた。

「他にご要望があれば持ってきますけど?」

「そうだな。他の資料も持って来てくれ」

「いいけど、ちょっと時間かかるよ〜?」

「構わない。ここで待っている」

「そう?じゃ、ちょっと行ってくるね」

橘が退出した後、天白は彼の銀の髪を掴み、軽く上に引き上げた。

顔にはべったりと白い液体がまとわりつき、青年の肌を卑猥に汚している。

唾液と体液で濡れた口許を人差し指で拭いてやり、お預けをさせた小犬にアメを向ける。

「きちんと待てが出来るようになったね。約束通り、褒美をあげるよ」

天白は着ていたジャケットを机に広げ、その上に九十九を寝かせた。

期待と焦燥に駆られた眼が一心に注がれている。

「さあ、私にどうして欲しい?お願いを聴いてあげるよ」

「天白様のもので、俺を犯してください…」

ズボンと下着を脱ぎ捨てて、彼は大きく太腿を開く。

日常、穏やかに細められた目尻も、朗らかに笑う口許も、今は見る影もなく淫靡な陰間に変化している。

物欲しそうに蠢く菫色の蕾に、天白は二本の指を突き入れた。

「はああっぅ…あぁんっ!」

「ココが好きだね。貪欲に私を求める様になった」

押し出すように内壁をかき回し、触れた前立腺をくすぐるように指の腹で撫でる。

「指だけじゃいやです…はやくっ、天白さまのもので…!」

腰を揺すって催促すると、天白は九十九の唾液に濡れた性器を、蕾の中に一息に貫いた。

「ぁああっぅ!」

苦痛と快楽に満ちた悲鳴が上がる。緩急をつけずに激しく揺さぶると、掴んだジャケットが深い皺を刻んだ。

「ああ、鍵を掛けていなかったね。橘が戻ってきたら、私達の姿を見せつけようか」

「いっ、いやです…俺は、天白様だけのものだから」

それは羞恥からではなく、九十九の、天白への独占からだった。

「そうか、九十九は私の物だと知って欲しかったのだが…残念だ」

何度も覚え込ませた昂りを、一気にねじ込んでは抉るように擦り上げる。

その度に彼は啜り泣き、嬌声を上げて、苦楽にのたうち回る。

彼がどの程度までなら耐えられるのか、壊す寸前、痛みの限界まで追い上げるのが天白の愉しみだった。

上体を倒せば九十九の腕が縋ってくるが、抱き締めかえすような真似はしない。

代わりに、顔中に撒き散らした精液を舐めとってやると、頬を紅潮させて安堵の笑みを浮かべた。

「天白様、俺のなかにたくさん、くださいっ…もっと、俺を犯して…!」

「私の可愛い九十九。これからも、私の為に尽くして、私の為に壊れていきなさい」

耳元で、まるで洗脳の響きをもって彼に植え付ける。


激しい抽送の末に、九十九の中に熱い精液が注がれた。
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