裏僕小説その3
□続!「びたーorすいーと〜ドSな夕月とドМな夕月〜」
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憎き天敵、藤原彌涼が枕元に現れた。
ルカは夕月の隣で眠っていたが、ふと見れば腕に抱いていた夕月がいない。
これは夢かと悟るのに、時間は掛からなかった。
「やあやあ、俺はマッドサイエンティストisuzuだ。突然だが、ルカの望みをなんでも叶えてやるぞ。だからこれを飲んでくれ!」
「失せろ」
彌涼が得意げに差し出したのは、フラスコ一杯に満たされた、毒々しい赤紫の液体だった。
当然の如く殺意の湧いたルカは拳を振り上げるが、悲しいかなここは夢の中。
ひらりとかわされた上に、フラスコの中身をぶちまけられた。
全身からぽたぽたと液体を滴らせたルカは、怒気も露わに彌涼を睨み付け、ふんぞり返った彌涼は生意気にフフンと鼻を鳴らした。
「これでルカは夕月と○○○をしたり、×××を試したりできるぞ。目覚めを楽しみに待つんだなっ」
「そんなことはもうとっくに経験済みだ。俺はユキに○×▽だけでなく、××××や○○と×××なこともこれからしたいと思って」
「おおぉぉい!分かった!もういいから!生々しいぞ!」
「とにかく一発殴らせろ」
「待て待て。とにかく一度起きて、試してみてくれ、絶対お気に召すから、なっ?……夕月は可哀想だが……後で感想を訊かせてくれよ。じゃあな〜」
と、言うと彌涼は白衣を翻してどこかに消えて行った。
まったく、胸くそ悪い夢だった。
さっさと起きてしまおうと、ルカが瞼を上げると……。
夕月がひとり増えていた。