裏僕小説その4
□千紫郎×黒刀「襲っちゃいました☆」
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だってさ、黒刀って見てるとなんかこう…ムラムラしてくるんだよね。
黒刀って華奢だし、ごはんを食べてる時なんて、小動物みたいで可愛いんだよ。
そして極上のツンデレ!もう色々とストライクじゃない。(俺的に)
だから、つい襲っちゃうのも仕方ないと思うんだ。
「ねえ黒刀〜。一緒にお風呂に入ろうよ。たまには背中流してあげるよ」
にっこり笑顔で誘ってみると、黒刀は犯罪者でも見るような目つきで俺を睨んだ。
「断る。一人で入れ」
「ええー。なんでさあ」
「お前の今の顔を鏡で見てみろ。邪な妄想が駄々洩れだ」
妄想じゃなくて、現実にあはんうふんするんだけどね。
取り付く島もなくNOを突きつける黒刀に、俺はちゃんと秘密兵器を用意してある。
崩れているらしい顔を直してから、懐から勿体ぶって取り出したのは…。
「ふっふっふ。黒刀、これはなーんだ」
「…!そ、それは!」
黒刀が言っていた、「一度は抹茶のお菓子に溺れてみたい」という夢、俺が叶えましょう!
「抹茶ミルクの入浴剤だよ。それはもう、黒刀の為に惜しげもなく広い浴槽にぶちこみましたとも!どう?あま〜い抹茶のお風呂に身体を浸してみたくない?」
「…………仕方ない。今日だけは、お前がどうしてもというなら、一緒に入ってやる」
はい釣れましたー!
むっふっふっ。抹茶に浸る前に、俺が黒刀の中に浸らせてもらうよ。
脱衣場に入ると、邪魔者の侵入を拒む為に鍵を掛ける。
黒刀は先に服を脱ぎ始めていた。
お馬鹿な黒刀。狼(俺)の前で自ら下ごしらえをしてくれるなんて。
注文の多い料理店を知らないのかな。
ちらりと盗み見ると、黒刀は惜しげもなく綺麗な肌を晒していく。
華奢な手足に、鍛えているのに筋肉のつかない少年の腕。細い首筋にあるかないか分からない喉仏。
そして俺がセレクトした下着の中にある、砂糖菓子のような黒刀のアレ…。
「おい…千紫郎」
「はっ!なななに?」
いけない。つい意識がピンクの先に飛んでしまった。
「さっきから視線がキモい。まさかお前…そういうつもりで僕を誘ったんじゃないだろうな」
そんなの当り前じゃない。心の中で舌なめずりをして、心の中でおやつの時間の合図が鳴る。
俺がおいしそうなお菓子(黒刀)を前にして、大人しく風呂なんかに入ると思っているのかい?
「黒刀、どうせお風呂に入るんだから、ちょっと汗掻いてからでもいいじゃない」
「はっ…っっ!近寄るな千紫郎!」
黒刀はじりじりと迫る俺から、下着一枚の姿で逃れようとする。
目の前の据え膳、俺にとっては満漢全席にも等しいきみを戴かないわけないだろう。
手首を掴み、腰を掴んで俺の胸に引き寄せ、まずは唇を食す。
「ぅ…っ、やめ…ぁふっ…」
黒刀は勿論抵抗して、腹にボディブローを喰らったり脛を蹴られたりするけど、そんな痛みなんて仔猫がじゃれるほどのもんさ。
だって黒刀は俺の事が好きだから。本気で拒絶をしないから。
小ぶりな唇に吸い付いて、舌先で突くと、胸を殴る腕から力が抜けてくる。
中々口を開いてくれないので、下着の上から黒刀のアレを揉んであげると、身体が跳ねて唇が開く。
「あっ…おいっ!ん…ふっ」
隙を狙って舌を忍ばせ、まずは神経の密集した舌の裏を舐める。
歯茎に添って歯列を舐め、頬裏の肉質も味わった。
手の中に馴染む黒刀の自身は、パン生地みたいに柔らかくて、全体をマッサージするように捏ねてあげると、段々と弾力を増して硬くなる。
「んぁあ…せんしろ…息できないっ」
目を開けた黒刀が、涙目になって俺を睨むけど、俺も目を合わせて怒りを受け止める。
「まだ駄目だよ。黒刀、さっき飴舐めたでしょ。甘ーい香りがするよ」
少しの息継ぎの猶予をあげて、また唇を食べ始める。
きみがそんなに可愛らしく怒ったって、嗜虐を煽るだけだよ。
引っ込んだ舌を追いかけて、絡ませる。鼻に抜ける声が苦しそうだ。
擦りあわせて、時々歯で咬んで、どんどん溢れる唾液を黒刀の喉に流し込む。
こくん、と細い喉元が鳴った。その間も形の変わった黒刀の自身をさすっていると、黒刀はとうとう膝の力が抜けた。
「ふぁ…はあっ、はっ」
崩れ落ちた黒刀を支えてあげると、俺の胸にぐったりと身体を預ける。
「そんなにキスがよかったの?」
「んなワケないだろう!酸欠で死ぬかと思った!」
「じゃあキスはここまでが限界だね。気絶されたらつまんな…心配だから」
「お前、前半が本音だろう!」
毛を逆立てて怒る猫みたいだ。可愛い可愛い。
「千紫郎、最初からコレが目的だったんだな。この万年発情期のど変態野郎!」
ツンデレに罵られるって、いいよね。
「ほいほいとついていきた黒刀が悪いんでしょ。美味しそうな匂いをぷんぷんさせて、俺に食べてくれって言ってるようなものじゃない」
「そんな妄想をするのは、お前の腐った頭だけだ!」
拳を振り上げる黒刀の手首を掴んで、指と指を絡ませる。
真正面から覗き込むと、兎のような真っ赤な目で俺を非難した。
「殴ってもいいけど、今は駄目。全部戴いたらね」