紹介
□四扇子五煙草六座頭
1ページ/1ページ
四扇五煙草六座頭
重い
非常に重い
寝起きに、眼を開ける前にそう思った
この感覚は覚えている
まるで金縛りのように体が動かなかった、この感覚
「…レイさん、何してるんですか」
『…金縛りごっこ?』
「ふざけるな」
新年早々、何なんだこいつは
そう、新年早々
一月一日、元旦
初夢は最悪だった
どうしよう、今年、良いことあるかな
『あ、紫姫、明けましておめでとうございます』
「…明けましておめでとうございます」
我が家は珍しくも、ある意味一大行事であるカウントダウンを毎年やらない
理由は簡単
皆健康体であり生活習慣が良すぎて寝落ちになるからだ
さて、なぜそれをここでいうのかというと、さっきのあいさつが、さっきのレイさんとの会話が今年最初の挨拶かと思うと…
なんかむなしい
幽霊が最初って
『なんかとても失礼な事言われている感覚はしてるけど、誰か来るよ』
レイさんがい終わると同時に、コッコンとドアが二回ノックされる
このノックの仕方は、藍都だな
「紫姫ー、起きてる?」
「起きてるよ―どうした―入っていいよ―」
「いや、別に、特に何も無いんだけどな。“明けましておめでとう”って一番にいいたくて。おめでとう」
「…おめでとうございます」
すこし、いや、かなり悔しい
くそっ、藍都がこんなにも可愛い事言ってくれたのに、一番じゃないだなんて…
思わず片足をつきそうになるのをこらえて、藍都の横にふわふわと立つレイさんを見る
ニヤニヤしやがってこの野郎
「え、なに?もしかして一番じゃなかったり?」
しゅーん
まさにそんな感じの言葉が当てはまる顔をする藍都
何この可愛い子
『俺が最初だからだよ―ん。藍都君☆』
「…………紫姫、これは夢か」
「…現実逃避しないでください」
レイさんが横から藍都の目の前に姿を現したから、藍都が思わずといった風にレイさんを殴るも、そこは幽霊、腕が通り抜けた
----family----
「…つまり、見知らぬ女の子に抱きついて金縛り状態にした変態だと?」
『、うん、言い方がひどい気がするけど、当たってるっちゃ当たってるね、うん』
「レイさん泣かないで、面倒だから」
『あれ?慰めてもらえない?』
___________
遅れに遅れまくって年明けネタ