紹介
□ヤン様と言う名の変態
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ヤン様と言う名の変態
「あ、実姫。久しぶり」
「…さか、もと……なんで…」
小野寺実姫、(多分)本日最大のピンチ到来みたいです
思わず、逃げだしそうになる足と叫び出しそうになった口を押さえ、ギリギリな状態で対応する
この爽やかな笑みの男は、中学、高校からの同級生である坂本君だ
ちなみに、友達がつけた別名は「ヤンデレ君一号」である。略して「ヤン様」
そうこの男、爽やかな笑みとは違い中身がアウトな存在なのだ
そしてなぜか、なぜか私の事が好きみたいで…
学生時代は何度も襲われかけた…。その都度その都度、実都に助けてもらったよ
小学生ながらあの子はしっかりしてたよ、うん。
「?どうしたんだい?実姫…?」
首をかしげながら私の顔を覗き込んでくる
怖い
「ヒッ…ぁ、い、いや…何でもないよ〜」
「そう?それにしては顔色が悪いけど…」
それはお前のせいだ
声を大きくして言いたいのを喉もとで抑える
それにしてもだ、コイツ、まだ私の事諦めてねぇぞ、コレ
だってほら、
私の手を捕まえて
離れない
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「た、だいまー」
「お帰り―…どうした姉貴?怖い顔してんぞ」
「実姫、お帰り。ほんと、貴方怖い顔してるわよー」
なんとかヤン様から逃れ、帰宅
顔が怖いと言われて母さんに頬をムニムニされてるなう
「で、どうしたんだよ、姉貴」
「…ヤン様に出会ってしまった」
「家族会議をしましょうか」
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我が家の家族会議は少し可笑しくて、長男である実都を中心にやって行きます
ちなみに、第一回家族会議も私の問題を解決するために行われた
第一階の議題は「実姫が監禁されかけましたが、どうしましょう」だった気がする
そして、今日の議題は
「『ヤン様が現れましたが、どうしましょう』を議題として解決策を見つけ出したいと思います。はい」
「パチパチパチー」
「本人が茶化すんじゃねぇよボケ」
「さーせん」
『なんでわざわざ俺まで呼ぶんだよ』
「私だけ付いていけないのって、なんか嫌じゃん」
『お前の都合かよ』
テレビ電話で話すのは寮に住んでいる我が弟、藍都である
紫姫が「話が分からないのが私だけだと辛すぎる」とか何とか言って藍都に電話を繋いでた
「で、だ。どうすんだよ、コレ」
「どうしよっかー。なんかね、話を聞いてみると最近ここの近くに越してきたみたいだよ」
「考えられるのは、仕事の都合か、」
「実姫を狙ってきたか…ね」
「相変わらず、恐ろしい子だよね」
私と実都、父さん母さんでうんうんと坂本の恐ろしさを思い出す
中学二年ながら、あの人は私を監禁しようとしてたからね―
あの時、実都がいなかったらどうなってたか…
「ハイハイハイハイハーイ!」
「はいは一回だけな。で、何だ?紫姫」
「ヤン様って誰?」
『あ、それは俺も思ってた。ヤン様って誰』
「「「私(実姫、姉貴)と出逢ってヤンデレ化した変態」」」
『「何その濃いキャラ』」
双子のドン引きようがwww
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いろいろと悩んだ結果
私が秋良と結婚しちゃえばいいと思う
とか言う投げやりな答えにたどり着きました
私、近々、結婚するそうです
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