紹介

□Love at two sight.
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Love at two sight.


「では、みんなはお母さんとお父さんの出逢いを聞いてきてねー」

「はーい」

「じゃっ、さよーならー」



先生のその言葉でクラスが一気にざわついた
これで、今日の学校は終わり


今日の国語の授業での宿題である
『スピーチをまとめよう』
のお代的な物が「両親の出逢い」だった
多分、いや、絶対にほとんどが先生の趣味だろう
と、まぁ、それを両親に聞かなければならないのだが…
正直、嫌である


常日頃からあのイチャイチャぶり
そんな奴らに出会いなんぞ聞いたら、イチャイチャ×2ぐらいになるだろうと安直に予想ができる。


とぼとぼと、一人家路を歩きながらそんな事を思った。


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「あ、かーさん、とーさんとの出会いって何ですか―?」


丁度、国語の宿題を思い出したので、目の前で料理の準備をしていた母さんに聞いてみた
二人じゃないし。イチャイチャ×2の被害に遭わないだろう。
ちなみに、うちは対面式のキッチンである。


「あら、そんな事なんで聞くの?」


まぁ、そうなるだろうな。


「そう、ねぇ…なんと言ったらいいのかしら?」

「あの時の私は少し可笑しかったわね…」



かーさんはは昔の事を思い出したのだろう、ふふっと笑う。
だけど、かーさんや。あんたが可笑しいのは今も変わらないと思うぞ。
そんな頭の中で辛口なことを思いながらも、詳しい内容を聞く


「そうね、最初は私の通っていた学校の近くの喫茶店で会ったのよ」



まだ夏の暑さが残る、九月だった


そんな感じの冒頭が付きそうな話し方で、物語の様なものは始まった


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その時は九月のくせしてとても暑くてね
私は一緒にいた友達と休もうと話してたの
そしたらね、偶然、今まで全く見つけられなかった喫茶店を見つけたのよ
とても雰囲気のいいお店でね、友達と少し緊張しながら入ったのを覚えているわ。
それでね、そこでアイスティーを頼んだのよ、ウェイターさんに


そのウェイターが魁都さんだったのよ。




え?じゃぁ、それが出逢い?


少し、違うわね…確かにそれが出会いだったかもしれないけど、本当の出来事はこれから。




まぁ、普通にその日は友達とお話して帰ったのよ
「あのウェイターさんカッコいいね―」とか言いながら。
それでね、ふと、…たしか、パンだったと思うわ
朝に食べる様のパンが無い事に気がついて、買いに行ったのよ
でもほら、お母さんって少し方向音痴が入ってるでしょう?
行き慣れた自分の街で迷っちゃったのよ
しかもお店は家の近くだって言うのに…




まぁ、うん。買いに行ったって言うこと聞いた瞬間その予想はしてた。
そしてかーさんの方向音痴は少しどころじゃないから。


あら、そう?
まぁいいわ。




そこで、道に迷って挙動不審になっていたところに魁都さんが来たのよ
「どうしたんですか?」
って
そこで私は恋に落ちたのよ



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「………は?」

「一目惚れって言うのかしら?
あ、違うわね『二目惚れ』かしら?
まぁ、そんな感じの出逢いよ。私と魁都さんの出会いは。」



そう言いながら止まっていた手を動かし始めた
今日はハンバーグらしい
やったね。


いや、違う。
そんなボケかましてる場合じゃねーよ


……二目惚れ
ですか


すこし、母さんの頭の中をのぞいてみたいと思った俺だった
てか、最初の喫茶店の下りいらなくね?






I feel love at first sight it to be instinct.
一目惚れそれは本能で感じるもの


Two love you and feel it to be fate.
二目惚れそれは運命で感じるもの



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