私は君を忘れない
□オン・ユア・マークス
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フロンティア船団の周りに確かにバジュラはいた。
コイツらが大切な、大好きなギリアムを殺したかと思うと、自分のなかにどす黒い感情がわき出てくるのがわかる。
ユルサナイ、ユルサナイ!
わき出る感情に身を任せ、今や自分の思い通りに動く自分の機体を操りバジュラへと突進する。
『バジュラめぇぇ!よくもギリアムをぉぉぉ!』
無線から聞こえてくる名無しさんの怒りの叫びに、オズマ、ミシェル、ルカに心配が過ったのは言うまでもなかった。
そんな中、一体のバジュラが船団へと取りつく。バジュラのその視線の先にはSMS本部の前にいる、アルト、シェリル、ランカがいた。
『これ以上、誰も殺させはしない!』
怒りのままにバルキリーをバジュラに向けるが、途端に背後から他のバジュラに攻撃される。
かわせ!
思考はそう働くも、何故か機体は動かない。そのままバジュラの発した攻撃がコクピットの左側をかすり、爆発する。
その爆発に名無しさんの左腕が持っていかれた。
『くはっ!…………』
「「名無しさん!!」」
オズマとミシェルの声が響く。
『だ、大丈夫…だから、…』
左腕が千切れたことで多少のショートはあるものの意識はある。
「本当に大丈夫なのか?!」
オズマがアイランド1に取りついたバジュラと格闘しながらこちらをみる。
そのためオズマはバジュラの次の攻撃に気付かない。
『オズマ!よそ見をしないで!』
時すでに遅く、オズマは被弾してしまった。
「隊長!!!!」
ルカの声が響く。
爆煙の立ち込めるなかから、オズマの機体が勢いよく飛び出してくる。
「ふっ、人の心配なんかしてんなお前ら!ミシェル、止めをさせ!」
「隊長、イエッサー!」
ミシェルがアルトたちが逃げるのを確認にして的確に打ち落とす。
「ふっ、よくやったな。………くっ、…はぁ、はぁ、…血を流しすぎたか………全機、帰還せよ………」
「「『隊長?!』」」
3人の呼びかけむなしく、オズマの機体が揺れ落ちていく。
「「隊長?!」」