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□満ちる夜
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「おれは、女の子じゃないんだから、そんな大切にして貰わなくても大丈夫だよ。
いや、大切に思ってもらえるのは、嬉しいけど」
「・・・アラン」

おれは、そっと瞳を閉じ、エリックに顔を寄せた。

唇が触れ合う。

「ん・・・っ」

今までとは違う、深い口づけを交わし合う。その時、

カシャ、と微かな衝撃音がした。

「邪魔だ、な」
エリックが小さく笑い、二人の眼鏡を外すと、テーブルに置いた。

「アラン」

額に口づけを落とし、確認してくる。

「お前が、欲しい・・・いいか?」
「うん・・・あ、でも・・・ここじゃ嫌だ」

おれが答えると、エリックは低く笑った。

「確かに、初めてが、ここじゃあな・・・ベッド、行くか」

軽くおれを抱き上げ、寝室に向かった。

まるで壊れ物のように、そっと横たえられる。

キシッ、とベッドを軋ませエリックが覆い被さってくる。

額、鼻先、頬、に口づけを落としながら、器用にシャツを肌蹴ていく。

大きな掌が、肌を彷徨い、胸の小さな尖りを探り当てると、
親指と中指で摘み、人差し指で弾き、もう片方は、唇で吸い付き舌先で転がした。

「や、エリック・・・そんなとこ触っても、何も・・・っ」

女性ではないから感じたりしない、そう言おうとしたが、
濡れた箇所に息を吹きかけられて、肌が粟立った。

「その内、ココも感じるようにしてやる」

エリックは、ニッと笑った。

大胆な手が、知らぬ間にズボンの前を寛げており、中に忍び込む。

布をかいくぐり、僅かに反応し始めているアラン自身に触れる。

「っ、エリック」
肩がぴくん、と跳ねる。
初めて他人の触れる感触にアランは、震えた。

大きな手が、アラン自身を包み、強弱をつけて扱きはじめた。

「ぁ、っ」

やがて、先端の小さな穴から、透明な粘液が滲み出てくる。

「気持ちいいか?アラン」
「は、っ・・・エリック」

エリックが手を動かすと、ネチネチと粘った音がし始めて、
おれは恥ずかしくなり、きゅっと目を閉じた。が、次の瞬間、
温かな何かに自身が包まれ、目を見開く。

「エリ、ック・・・や、っ」

今まで感じたことのない、強烈な快感。

舌を押し当てるようにして、下から上に舐め上げ、横からも舐らる。
その間、二つの果実を摺り合わせるように、揉みしだかれた。

おれは、急激に上り詰めていくのがわかった。

「あ、エリック・・・駄目、だ・・・もう、口はなし、て」

でなければ、エリックの口内に放ってしまう。
エリックの頭を引き離そうとするが、力が入らない。

「いいぜ。このまま、出して」
「やっ、駄目・・・っあ!」

アランの限界を感じ取ったエリックが、強く吸い上げた。
瞬間、どくり、と放たれる熱い体液。

エリックは、アランの両脚を大きく開かせ、双丘の狭間に唇を寄せ、
口内に含んだ体液を流し込んだ。

そして、そっと指先で窄まりを、ぐるり、となぞり、そのままツプリ、と指を沈めた。

「っ、く」

ゆっくり抜き差しされ、指を折り曲げ探るように、蠢く。
指が増やされ、広げられる。

「苦しくないか?」
「う、ん」

やがて、ぬる、と指が引き抜かれた。

「アラン・・・もう、いいか」

熱い塊が、蕾に押し当てられた。

アランの脳裏に昨日見た本の内容が浮かぶ。

「あ・・・」

身体の下でアランの身体が強張ったのがわかった。

「アラン・・・目を開けて、俺を見ろ」
「・・・エリック」

頬に触れた温かな手の感触に、アランは、瞳を開けた。
そして、自分を見つめ優しく笑むエリックを見た。

「怖いか?やっぱり、止めるか」
「大丈夫。怖く、ない」

自分だってギリギリで苦しいはずなのに、アランを気遣うエリックの優しさに胸が熱くなる。

「なら、続けるぞ」
「・・・ん」

額に口づけをひとつ落とし、腰を進めてきた。

ぴり、と痛みが走る。

「っ、エリック」
「力、抜け・・・アラン」

言われていることは、わかる。
けれど、どうしたらいいかわからない。
自分の身体なのにもどかしい。

「アラン」
「くぅ、っ」

痛みに萎えていたアラン自身に長い指が絡まり、刺激が与えられる。
一瞬力が抜けた。その隙を見逃さず、エリックが挿入ってきた。
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