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□7、狼の誓い
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あんまり拒むものだから、襲われるとでも思ってんのかなって思って、ちょっと意地悪してみた。


まぁ、俺だって、そんな会って間もない女の子に手を出すような非道なことはしないよ?


けどさ、ここまで可愛く拒まれちゃ、ちょっといじめたくなるものでしょう?



「アレン?ほら、ちゃんと言ってくれないと分からないんだけどなぁ?」


「私は・・・・・・・・・だから。」


「ん?」



けど、こんな意地悪やめときゃよかった、って、10秒後には思った。



「私はっ!・・・元、海賊だから・・・。」



目に涙をいっぱいためて、あんまり苦しそうに言うもんだから・・・



「アレン?」


「駄目だよ、クザン・・・。クザンは、海軍の大将で、私は・・・元海賊なんだから・・・。」



その後、うつむいてしまったアレンを、抱きしめることしかできなくて。



「アレン・・・アレンは、俺のことを殺そうと思ってるの?」


「そんなことありえないっ!!だって、私はクザンの・・・部下・・・だから・・・。」



アレンの言いたいことが全部理解できたわけではないけれど、

拒む理由は、自分と俺との間に埋まらない何かがあると思ったから・・・。


多分、そういう感じなんじゃねぇかなぁ・・・。


男とか、女とか、それ以前に・・・自分は、敵のはずなのに、もっと、遠くにいなくちゃいけないはずなのに・・・ってか?


そんなの・・・関係ねぇな。



「だったら、俺はアレンを信じるよ?」


「・・・え?」


「俺は、今俺の前にいるアレンを信じる。」





それが、今の俺の答え。















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