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□3、狼の耳と尻尾
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ぼふっ
「っ〜〜〜〜〜////」
顔が真っ赤になるのと同時に、耳と尻尾が生える・・・。
生える?!
アレンは、ひざを曲げて体を小さくする。
真っ赤な顔を隠すように手で覆って、耳は下に向いた。
あーあ・・・なんでこんなに可愛いのよ・・・。
抱きしめたい衝動をぐっと抑えて、アレンの返事を待つ。
「わ・・・」
「わ?」
「私なんかが・・・力に、なれるなら・・・・//」
「本当?!」
「きゃぁっ//」
「いやぁーよかったよかった〜、断られたらどうしようかと思ったよっ!」
つい嬉しくて思いっきり抱きしめる。
立てひざをついているのに、アレンを抱きしめるとアレンの頭は肩くらいまでしかなくて、
もうその小ささが可愛すぎるってやばいって←
「あ・・・あの」
「んー?」
「名前・・・」
「え?あ、俺の?」
体を少し離してアレンの顔を見る。
「ん《こくり」
そういえば、俺の名前言ってなかったっけか・・・。
頭をぼりぼりとかきながら、とりあえず・・・まぁ今更だが、自己紹介をする。
「俺はクザン。」
「クザン・・・?」
きゅんっ
「そ、そうそう、ま、大将青雉とも呼ばれてr「大将?!」
突然テンションのあがったであろうアレン。
ほんと警戒心ねぇなぁ・・・。
「大将?ほんとに?!」
「お、おう・・・」
「す、すごい!クザンすごいっ!かっこいい!!」
「へ?あ、そ、そうか?いや、それほどのことでもねぇよ・・・。」
大将=かっこいいってのもどうかと思うが・・・
まぁ、こんだけ可愛い女の子にここまで言われるとおじさん照れちゃう←
「そっかぁ・・・大将なんだぁ・・・」
嬉しそうに笑うアレンを見てると・・・ほんと、
俺もすっげぇ幸せ。
え、なにそれ・・・。
「さて、と・・・。それじゃぁちょっと戻るか。」
「あ・・・ねぇ、クザン?」
きゅん・・・。
いやいやいやいや、名前呼ばれただけで・・・きゅんって・・・
「ん?」
俺らしくねぇなぁ・・・。
「・・・海兵になるの・・・条件が、ある。」
また『条件』ねぇ・・・。
さっきの条件から考えると・・・そんな難しいもんでもないんだろうけど・・・。
「聞くだけ聞くよ?」
「・・・ここの人たちを・・・どこかの島に連れて行って欲しい。」
あ、やっぱりね・・・。
「いいよ。」
「っ!!本当?!」
即答してやると、一気に笑顔になる。
こう、耳もぴーんっと上に向く。
「その代わり、俺からも条件。」
「・・・な、なに?」
一瞬にして、少し警戒したような顔になるアレン。
表情がころころ変わって面白いなぁ〜
「これから、そのアレンちゃんの『条件』を『お願い』にしてちょーだいよ。」
「お願い?」
「そ、お願い・・・。」
「えっと・・・わかった・・・」
「うん。」
頭を優しくなでてやる。
気持ちよさそうに目を細めたアレン。
うん、やっぱり可愛い←
「はっ!耳と尻尾しまわなきゃ!」
「え?あ、あぁ、そうね。」
狼の耳と尻尾。
(わかりやすいなぁ〜。)