黒子 長編

□序章
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――ああこれは夢だ―――

目の前の赤を名無し名無しはひどく俯瞰した意識の中で見てた。


何度も何度も再生された映像。
決して高性能ではない自身の頭が、まるで忘れるなと言うかのように何度も何度も再生する。


皮膚を焼く熱風。


髪の毛の焼かれる匂い。


そして、炎に飲まれる炎よりも鮮やかな橙の色。


忘れない。忘れることなどできるものか。

これは、私の罪だ―――――。
 

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