夢の欠片3

いつも私は泣いていた。

心の中で、いつも泣いていた。

もう一人は嫌だと言って、泣いていた。

そんな泣き虫な私に心配なんかかけてほしくなかった。

皆が困る表情なんて見たくなかった。

―――そんな時、ふと気付いた。

泣くから、皆が心配するんだって。

皆に、迷惑がかかるんだって。

だから、私は決めたんだ。

泣いて皆を困らせるのなら、笑っていようって。


――――笑顔の裏で、誰にも気づかれないように声を殺して泣いていようって。

表紙を開く

解説を読む

[TOPへ]
[カスタマイズ]





カスタマイズ