短編集

□黄色ずきん君
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見渡す限り大自然。見たことのない植物。見たことのない場所。
…いつからだ。俺が迷子になってしまったのは。
あん時かな?
あの道を右に曲がってしまったから俺はここにいるのかな?くそっ…


「ばーちゃんの家は何処だよー!!」


森に黄色いバナナ…レンの悲しい声が響いた。
しかし、レンの問い掛けに答える者はないくざわざわと木が騒ぐだけ。


黄色ずきん君こと、レン。
彼は黄色い物が好きすぎて全身黄色の少年。
見目が良い為に人々からは邪険に扱われてはいないが、不細工だったら嫌われる存在だろう。
そんな彼は森の奥に住む祖母の家に遊びに行く途中であった。
誰が見ても分かる迷子状態だ。
見るものもいないが…いや、一人いた。

茂みの奥からレンを見る狼だ。

狼はがさがさと木々を揺らしてから飛び出した。
レンは驚き恐怖で身をすくめたがすぐに戻した。
その狼があまりにも可愛かったから。

「やぁ、やぁ少年どうしたんだい?私は狼だよ」

そう言って手(前足?)を挙げた狼らしき動物はレンに近づいた。

柔らかそうな肌にかかる金色の体毛。
バランスの良いプロポーション。
微笑むと軽く見える八重歯。
長い爪は恐怖に似た興奮を与える。
そんな彼女からは獣の臭いを全く感じなかった。

「はじめまして、狼さん。ばーちゃんの家に行きたいんだけど、何処だか分からないんだ。教えてくれない?」

「うん、良いよ。その代わり何か食べ物を恵んでくれる?」

「ああ、喜んで」

レンは祖母に渡すためのパンを、バスケットに入れていたから食べ物は持っていた。
だから、そのパンをあげると狼は微笑んだ。

「んまんま。これは、貴方が作ったの?」

「ああ、そうだよ」

「私はいつもお腹の空いた、可哀想な狼…私の為に料理をこしらえてくれない?これからも」

「勿論」

レンは狼の手を取り微笑んだ。
それを見て狼も喜んだ。




そうして、二人は仲良く暮らしましたとさ。

しかし、めでたしではない。
レンの祖母はレンが遊びに来てくれるのをずっと待ってるそうで。
















あとがき
急展開&意味不明
自分でも理解出来なくて笑いました。
理解出来た人勇者!!

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