短編集
□口に何かついてるよ
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幼稚園児化リンレン↓
3時のおやつタイム。
今日のおやつはドーナツだった。
「んー、おいし!」
「だね、美味しい」
モグモグと食べ終えてからリンはレンを見た。
「じとー」
「何だよ、姉ちゃんが食べ終わったからって僕を見ないでよ」
「ちぇー」
「あげないからね」
「レンのけちー!」
バタバタと四肢を地面に打ち付けてリンは怒鳴った。
「は!キラーン!」
目を輝かせてリンは言った。
良いことを思い付いたように座り直して、レンを見つめた。
「今度はどうしたの?」
「ふふーん♪教えなーい」
愉しげに鼻歌を奏で、そして突然何かを発見し言った。
「あ、口に何かついてるよ」
「え、本当?」
レンはドーナツを食べていた手を止めて目を丸くした。
「うん。取ってあげる」
「ありがと」
ぺろん
「〜〜ッ!?」
リンは口に付いたモノを舌で舐め取った。
レンは顔を赤くして舐めた所を押さえている。
手からは食べかけのドーナツが溢れ落ちた。
「な、な、何して…!?舐め…え?」
レンはまた目を丸くした。
落としたドーナツをリンが食べていたからだ。
にやにやと頬を緩ませながら。
「おいひー」
「ま、まさか…これが目的で…?」
「ほーらよ?レンったらまんまと引っ掛かるんだもん。ありがとー」
「な、な、なー…」
可愛く微笑んだリンを見て、レンは初めてキス(?)された事で喜んでいることを心に潜めた。
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