短編集

□バカップルですが、何か?
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俺らはバカップルだ。

バカップルとは目障りな公害。
だと思っていたけど…
自分達がなってみたら、意外と良いね!

「リンちゃーん♪ミカンだよ〜」
「きゃあ!イケメンレンきゅんが持ってきてくれたのぉ?」
「それほどでもないよ☆」
「んー!愛してるっ」
「俺もだよぉ!」

ちゅっ
ちゅっ
ちゅっ
ちゅっ…

互いの気がすむまで口付けを交わす。

「ぷはっ…もうっ!レンきゅんったらエッチ〜」
「エッチな俺も好きでしょ?」
「エッチ過ぎるレンきゅんは嫌いっ」
「え!?」
「そ、そんな泣かないでよ…」
「俺のこと嫌いなんだろ?」
「違うよっ」
「じゃあ、好き?」
「うん」
「リンちゃんの口から言わないと、分からないよ」
「え、ええ〜」
「俺のこと嫌いなの?」
「ううんっ!大好きだよっ!」
「えへへ。俺もリンちゃんのこと大好きだよー!」

リンをぎゅっと抱き締める。

「嬉しい〜。どのくらい?」
「このくらい」

俺は両腕を精一杯広げて言った。
するとリンが不満そうに呟いた。

「それだけしか、私のこと好きじゃないんだー」
「そんなことないよっ!」
「じゃあどれくらい?」
「これくらい!」

今度は部屋の端から端まで走って示した。
しかし、それでも不満げで。

「足りない」
「え」
「私のこと好きじゃないの?」
「好きだよ!」
「どれくらい?」

「…無限大さ…」

「さっすが、レンきゅん!私、その言葉を待ってたのぉ!」
「ははっ、良かった〜」

内心焦っていたのは見透かされていないようだ。

「大好きだよ。レンきゅん」
「俺もさっ。リンちゃん」

ちゅっ
ちゅっ

とキスが降り注ぐのをミカンは黙って眺めていた。




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