高尾作品創作

□パンツ履いてるの?
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ある日の放課後のことです。
しのぶ様の掃除を僕が代わりにやっていました。


「才蔵…パンツ履いてるの?」


しのぶ様が眉をしかめながらその質問を僕に言いました。

「パ、パンツですか!?」
そ、そんなしのぶ様が僕のパンツに興味があっただなんて知りませんでした。
もう中学生ですし、異性の下着の着衣について興味を抱くような年になってしまったのでしょうか?
僕が知らない間にしのぶ様は変わられてしまった…と、僕が嘆いているとしのぶ様は言いました。

「べ、べつに才蔵のパンツのことが気になる訳じゃないから…!」

焦った様子で、顔を赤くされていました。
僕の前でもそんな表情を見せてくれるなんて、嬉しいです。

「では、何故そんな質問をされたのですか?」
「…引かないでよ」

しのぶ様が僕に聞きました。
ですがそんな必要ありませんよ。
僕がしのぶ様を引くことなんてないですから。
その意味を伝える為に僕は頷きました。

「じゃあ言うわ。今日、左介が着替えている所をたまたま見てしまったのよ。そしてあの男が脱いでいる途中だったからフンドシを履いているのまで見えたわ」
「はい」
左介はフンドシが大好きなんです。
「だから、才蔵もフンドシなのかなーって思っただけ」
しのぶ様は僕から視線を外して言いました。
「ご、ごめんなさい…」
「は?」
「しのぶ様がフンドシを好きなことも知らずにトランクスを履いていましたっ」
知りませんでした、しのぶ様がフンドシを好きでいたなんて。
好きだと知っていたら毎日フンドシを履いていたのに。
よし、今度左介にフンドシを借りに行きましょう。

「な、な、何で掃いていること言うのよっ。それにしのはフンドシなんて好きじゃないし、むしろ嫌いな方だし…」
「本当ですか?」
「本当よ。別にこんなことで嘘ついても意味ないわ。ほら、しのと一緒に帰るんでしょう?ならさっさと掃除終わらせて」
しのぶ様は頬を赤くして、僕を急かすように手を振りました。
それをきっかけに僕は掃除に戻りました。


それにしても良かったです。
しのぶ様がフンドシを好きな方でなくて。
でも何故僕もフンドシかどうか聞いたのでしょうか?
それって僕にも興味があるって自惚れても良いのですか?


2014.2.9.
end

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