捧げ物

□相互記念
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注意
星影の紡様の相互記念リク
リンレンの幼なじみ設定
モテモテのレン君
リンちゃんがヤキモチという最高の設定ですが、その設定を裏切る結果となってしまった駄文です




ピンポーンと、隣の家のチャイムを鳴らした。
「レンー。学校行こー」
扉の前で大きな声で叫んで扉を叩いた。
そうしないとレンは起きてこないから。
そうやって扉を叩いて暫くしたら、髪に寝癖をつけたままのレンが制服に身を包んで出てきた。
「…ったく。毎日毎日俺を起こしにくるなんて飽きねーヤツ」
レンは私を睨みながらバックを背中に背負った。
「だってそうしないとレンは学校に来ないでしょ」
レンが学校に来ないとなると、私が学校に行く意味なんてなくなるもの。
レンは整った顔を歪めてからぽんと私の頭を叩いた。
「母親みてー」
レンはそう言い残してさっさと歩いていった。
私よりも大きくなった背中を眺めながら頭に手を乗せた。
痛い訳じゃなくてレンが触れたと考えただけでじんじんと熱を持ってきたのだ。
「さっさと来いよ。おいていくからな」
「ちょっと待ってよー」
適当に言っているように聞こえるが本当はおいていく気なんてないのが足取りで分かる。
私が追いつきやすいようにゆっくりと歩いてくれているレンに向かって走った。
ほら、こういう優しいところがあるから私はどんどんレンを好きになってしまうの。
普段は意地悪なことを言うのにね。根は優しいから困っちゃう。
私は隣を歩くレンを盗み見ながらゆっくりと微笑んだ。この幸せがずっと続けば良いのに。

なーんて思いはすぐに壊れる。

それは学校に着いた瞬間。
「きゃー!レン君が登校してきたわ!」
「おはよ、今日もイケメンだね」
レンを取り囲むように大量の女子が集まってくるから、隣にいた私は簡単に弾き出される。
「皆さん、おはようございます」
彼女達に囲まれてレンは見えないけど、レンは私に接するような態度とは違い優しい声で返していた。
「ふぁー、やっぱりカッコいい」
「教室まで送ってってあげるぅー」
そんな甘い声を発する女の子に囲まれてレンは教室に入っていった。
いつものように私のことなんて振り返らずに。
それはいつものことだから慣れているんだけどやっぱりレンの後ろ姿を眺めているのは寂しかった。

「私の方がレンのこといっぱい知ってるんだから…」

自分でも意識せずに漏れ出た言葉に自分自身驚いた。
私ったらこんなにレンの取り巻きににヤキモチ妬くなんてバカみたいだ。
どうせ彼女達は本当のレンなんて知らないから、私だけが知っているんだから。

そう自分を慰めながら私は教室に入った。





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