捧げ物

□2500番キリリク
1ページ/1ページ


注意
2500番キリリク
リンレンでボカロ設定
名前が記載されていなかったので誰だか分からないのですが、リクをされた方にどうぞです



僕は何か欠けているのかもしれない。

「ねえ、レン。今回歌う曲ってマスターから教えてもらった?」
「ついさっき楽譜貰ったばかりでしょ」
僕は呆れた様に言うと相方はバカっぽく笑った。
「あ、そうだったー」
てへ☆と舌を出しながら僕に向かって微笑むのだがちっとも可愛いと思えない。
どうしてマスターはこんな女を僕の相方として作ったのだろう。
正直可愛くないしバカだし、ミク姉みたいな綺麗で美しい人が僕の相方になれば良かったのに。
ぶつぶつと相方にバレないように文句を言っていると、何も分かってない相方は楽譜を見つけたことに感動してくるくる回っていた。
…本当にこんなのが僕の相方なのか。最悪だ。
「見てー!楽譜見つかったの!」
「良かったね」
「ねえ、どこにあったと思う?」
「何処だろうね」
「ぽっけの中にあったんだよー!うふふふふ…」
「知ってるよ」
相方はお腹を抱えて笑っているが、僕には何が面白いのか分からない。
ただ、こいつがバカなことが明らかになっただけなのに何故笑えるのだろう。
僕には理解できない。…僕は大事な何かが欠けているのだろうな。
でも僕が欠けているだけじゃなくて、相方も欠けているような気がするのは気のせいか?
「ねえ、練習しようか」
「何で」
「え?」
相方は丸い目を更に丸くさせた。
「何で僕が練習しなくちゃいけない。僕は完璧だから練習なんて必要ない」
「そ。じゃあ、私は一人で練習してるから好きな時に入ってきて良いよー」
「は?」
相方の言葉に呆気にとられていると相方は歌い出した。
澄んだ柔らかい歌声が部屋全体に響いて部屋の盆栽が大きく揺れた。
音程なんてデタラメで適当に歌っているけど、何故か楽しそうで僕は聞き入っていたのだが、思わず軽く歌っていしまった。
しかし、相方は歌を止めた。
「何で、止めた」
「レンの声があまりにも悲しそうだったから、何か怖いことがあるのかと思って…」
「僕に怖いことなんて、ない」
「でも酷く寂しそうだった。一人で寂しかったの?」
「違う」
「でも、大丈夫!これからは私がずっと一緒にいるから寂しい想いなんてさせない!」
人の話も聞かないで相方は叫んで僕の手を取った。
「だから、笑って一緒に歌お?」
相方はそう言ってバカみたいな笑顔を見せたと思ったら歌い出した。
最初は僕の手を掴んでいたのだが、歌うことに夢中になりすぎて手を離して踊っていた。
バカだけど僕と同じで音楽が大好きだってことだけは伝わってくる。
「彼女を作った理由は分かったかい?」
背後から低い声が聞こえてすぐに振り返る。
「マスター…大体ですがマスターの愛情が感じられました」
「その顔なら分かったみたいだな。レンもリンも単体でも十分素晴らしい力を持っているが、二人が揃うと何にも負けない最強の存在になるんだよ」
「ありがとうございます。マスター」
相方のくるくると回る姿を見ながらふと微笑んだ。
まだ好きにはなれないけど、どうやら僕には必要な存在みたいだ。
あの笑顔を見てると歌いたくて仕方がない気持ちになって、僕はリンの元へと走り出した。




あとがき
リクエストに沿えたか分かりませんが全力で挑みました。こんなんで良かったら是非貰っていって下さい。
あと、これからも宜しくお願いします!
ありがとうございました!!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ