捧げ物

□1600番キリリク
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注意
1600番目の紡様へのキリリク
紡様のみお持ち帰り可能です
レンリンで学パロ








「でさぁ、何の用なの?」
リンは机の上に座りながら滑らかな下肢で椅子を弄びながら言った。静かな部屋にはリンが椅子を動かす音しか聞こえない。
教室には僕とリンしかいないから。
今は放課後。今は彼女の言う「用」を果たすために残ってもらっていた。

その用とは…告白することだ。

初めて同じクラスになって、隣の席になった時からずっと好きだ。
暗い僕に声を掛けてくれて(主に罵られていたけど)、僕の隣を歩いてくれて(その時はきまってリンの荷物を持っていた)、給食を僕にだけにくれた(後から知ったがくれていた食べ物は彼女の嫌いな食べ物だったらしい)。
本当にリンは最高に優しくて可愛い人だ。
僕には厳しく当たることの方が多いけど、それもツンデレってやつだってこと僕は知ってる。
あと、ツンデレってのは好きな人にしかならないってことも知ってる。
つまりリンは僕を好き。
だから僕はリンに告白する。

…だけど、肝心な勇気が出てこない。
リンを呼び出してからずっと黙ったままでリンを退屈させてしまっている。
自分を応援すればするほど声が出なくなって喉が震える。

「いたずらなら、帰るよ」
リンが僕を睨んで席を(机を?)立った。
待って、行かないで。
まだ言ってないから。
小さいリンの後ろ姿がもっと小さく見えた瞬間、僕は手を伸ばしていた。
後ろに振った腕を引き寄せリンを抱き締めた。
「ちょっ」
リンの焦った声が近くで聞こえる。
僕自身焦っている。
何でこんなことをしてしまったのか分からない。きっと脊髄反射だ。
だからこんなにも心臓が速く動いて全身が熱いのか。

「…離してよっ」
「…ごめん。このままで居させて」
「何よ。変に真面目な声出さないでよ」
「ごめん」
「…謝らないで」
悲しそうにリンが言った。
謝りたい気分だったんだ。リンをこんな状況でも抱き締められていることを喜んでいる自分がいることを反省して。
「ねえ、このまま話しても良い?」
「…良いわよ」
リンを胸に抱いてやっと勇気が出た。
今はリンは僕の胸に顔を埋めているから顔を見ることがない。だから、言える。
すうっと息を吸った。

「僕、リンの事がす『キーンコーンカーンコーン……』!」

神様って本当にいるのかな?
だとしたら僕を見捨てたんだろうね。
どうしてこうも最高なタイミングでチャイムを鳴らしてくるかな?
これって僕の運が悪いの?
勇気を振り絞って言ったのに…

「聞こえた?」
「チャイムでよく聞こえなかった。何て言ったの?」
上目使いでリンが聞いてくる。そんな可愛い顔…卑怯だ。言ってしまいそうになる口を抑えながらリンに回していた腕を外した。
「なー…んでもないです」
「嘘、何か言ってた」
にやにやと意地の悪い笑顔を浮かべる。
そんな顔さえも可愛いと思ってしまうのは惚れた弱味だろうね。
「あ、後で言う、言いますから…今はもう帰りましょ」
「ふぅん。誰かさんのせいでこんな時間まで残っちゃった。当然送ってくれるよね?」
リンは僕から離れて荷物を取りに行きながら言った。
「おく、送る?」
「当たり前でしょ。こんなに暗いんだから」
「分かった。ありがとう」
「ふふっ、変なの」
リンに想いを伝えることは出来なかったけど、今はこうやって一緒にいられるだけで良いか。
僕も帰りの支度を始めた。


僕が帰りの準備をしているときに
『あんな距離で大声で話しているんだからチャイムが鳴っても聞こえるわよ』
という小さな呟きは僕は聞こえていなかった。




****


まず始めに、紡様ごめんなさい。
レン→リンの告白で学パロ
私の文才がないためにこんなものになってしまいました。
とても良いリクなのにそれを最大限に生かせない自分…殴りたい。
最後に、リクありがとうございました。
これからもよろしくお願いします!

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