お題小説

□君が誰かと笑うたびに
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注意
リン視点
軽く…闇?












私には、好きな人がいる。
絶対に報われない相手。

それは…レン。

弟で、血が繋がっているのに本当に好きな気持ちは紛い物じゃない。
黄色い髪の毛も、アホな所も、優しいところも、全部好き。
誰よりも好きな自信はある。

けど、彼の笑顔は私に注がれない。


レンは私を嫌いだから。


いつからか、レンに距離を置かれて徐々に会話がなくなった。
思春期なのかな?とか、甘いことを考えていたけど全く違ったのをレンの口から聞いた。

「近づかないで」

酷く冷めた声で放たれた言葉は簡単に私の心を抉った。
何で?と言うはずだったはずの私の口は無駄に開閉を繰り返し諦めた。
代わりに絞り出したのは簡単な単語。
それでも、話すのに苦労した。

「ごめんね」

弟を男として見ている最低なお姉ちゃんで。
お姉ちゃんらしいことをしないお姉ちゃんで。
その後、レンの前にいることが耐えられなくて逃げた。
頬には涙が溢れていた。


今まで通り、私達の間には深い溝が。
誰も修復することの出来ない深い溝。
もう、弟と姉には戻れないことを悟らせる。


学校ですら話してくれない弟はクラスの人気者。

いつも周りには女の子がいる。
キャア、キャア。
バカみたいにはしゃぐ彼女たちの中に入りたいと望む私は、終わりなんだろう。

レン以外の男の子とだったらある程度話せるのに。
レンとも話したい…いや、視界にいれてほしい。
そんなことまで考えるようになっていた。
だからかもしれない。
男子と話していると、レンに見られているように感じるのは。

私はバカで、狂っているんだろう。

レンが誰かと笑うたびに胸が締め付けられる。
苦しくなって、苦しくなって、その日の夜は大抵レンが私に微笑んでくれる夢を見る。
夢に出てきてくれるだけで嬉しくなって。
本当に話しかけてくれたような気になる。



私はどうしたら良いんだろう。
私はどうなるんだろう。

きっと、このままレンを好きになって離れられなくなるんだと思う。









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