お題小説

□分かっていたのに虜になった
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注意
カイリン←レン
いちゃいちゃしすぎ
普通にエロ











兄さんの舌が、唇が私の首筋に沿って動く。
「…っ、はぁ…ん」
「リン可愛いよ」
兄さんが私の耳元で囁いた。その声は甘く私の頭をどろどろにさせる。
「にぃさ…」
「名前で呼んでって言ったでしょ?悪い子だね、お仕置きしないとね」
「やぁ…」

兄さんの言うお仕置きとは私の敏感なトコロを責めると云うもので、全くお仕置きになってない。
だから私はわざと名前ではなく兄さんと呼んでお仕置きを受けている。
お仕置きしているときの兄さんの、悲しそうみ眉を下げているのに口元は笑っている不思議な表情が好きだから。

「お仕置きなのに嬉しそうな顔しちゃダメでしょ」
「…んっ。ごめんなさ…ぃ」
「リンは本当に悪い子だね」
そう言いながらも私の頭を撫でる兄さんの顔は笑顔だ。
「嫌いになった…?」
「ありえない。大好きだよ」
「ほんと?」
「本当。好き、大好き。愛してる」
「そう?そう…」
「だからそんな泣きそうな顔しないで」

いつの間にか私は泣きそうな顔をしていたみたいで、兄さんは私の頬を撫でた。
優しい瞳と甘い言葉で私を狂わせているのは、兄さんが理解しての行動なのかは分からないけどそんなのどうでも良い。
兄さんが全てで。
兄さんだけがいれば良いの。
兄さんが私を求めるから、私も全力で私を差し出す。
兄さんを愛しているから…と言うべきなのか。
兄さんに依存しているから…と言うべきなのかの問題は当の昔に捨てた。
だって兄さんがいればどんな場所でも、私は私になれるんだもの。

「私も、大好き」
「嬉しいよ」

兄さんの甘い密で今日もおかしくなる。
狂って、狂って。
兄さんしか見えない。
それでも満足。
私の相方の黄色い子よりも必要な人だから。










ベットの上で野生動物の様に本能のままに互いを求め合う二人。
しがみついてないと今にも消えそうで儚いリンが、兄さんの腕の中で啼く。
「…んっ、はぁ…大好きぃ」
「俺も、愛している…っ」
愛し合っている筈の二人の情事はいつも必死で何かに怯えているみたい。
悲しそうな表情をしながらそれでも喘ぐ。
不思議な関係。
二人を不思議な関係と言ってしまえば、俺も不思議な人間になってしまうんだろうけど。

俺は兄さんの腕の中で包まれ喘ぐリンを愛している。

気がついた時には好意を持っていて、この気持ちを伝える方法をずっと考えていた。
隣の部屋のリンの物音を聞いて、何が好きなのかを把握してプレゼントしたこともあった。
そして、いつからか隣の物音に喘ぎ声が混ざるようになった。
その喘ぎ声はリンと兄さんの物だと知るのはすぐ後で、知ったときは死ぬかと思った。

俺の方が愛しているのに。
リンとそういうことをするのは俺だったはずなのに。
どうして兄さんがそこにいるの?

リンの声が俺の全身の血を熱くさせた。
声だけじゃなくてリンのよがる姿も見たくなって壁に小さな穴を開けた。
虚しさは癒されないが、リンの乱れた姿で自慰をして何とか満たされようとした。
リンが俺に大好きだと囁いていると妄想しながら。

リンの視線はいつも兄さんを追っていて兄さんのことを想っているのは容易に想像できたのに。
俺はしなかった。
俺がリンに好意を持つと同時にリンが兄さんに好意を持ち始めていたのは知っていた。
理解していたのに、分かっていたのに兄さんに夢中になるリンに虜になった。












あとがき
共依存が好きになりつつある今日この頃。
ヤンデレ系のものを書きたい所存です。

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