幻想水滸伝
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君に会えると思うだけでこんなにも幸せな気分になれるよ
あの吸血鬼は嫌いだけど_
ミアに会える機会をくれたことには感謝するよ
円の宮殿へと魔力を使い瞬間移動し、ヒクサクに会うでもなく、すぐに入浴を済ませた
まだ首筋が気持ち悪い...
入浴後には気持ちの悪さも薄れ、ヒクサクの部屋へと向かう
「ミア様?ミア様!帰っていらしたんですね!」
「...ササライ、えぇ、さっき帰ってきたの...お出かけ?」
笑顔を満開にさせ駆け寄ってきたササライは宮殿内での分厚い重そうな正装とは違い、軽そうな軍服を着ている
「ハイランドへ援軍に向かうところなんです」
「...そう、気を付けてね」
背丈もヒクサクと同じほどになり、彼と同じ顔を見るたびに胸が痛む...
「ミア様、髪はきちんと拭いてください、床に雫が...」
そう言って伸ばされたササライの手...
「彼女に触れるな...」
だがその手はミアの髪に触れる前に、ヒクサクにより止められた
ササライは神官長の登場に背筋を伸ばし一歩下がると一礼した
「ササライ神官将、お前は早くハイランドへ向かえ」
「ッ...はい_」
仮面の下から低い声がそう言うとササライはヒクサクの機嫌を損ねたと思い、言われるがままにその場を去った
「...彼を君に近づけたのは失敗かも知れないね」
「...何を勝手なことを...それより、公務中じゃないの?」
ササライが去ったあとにポツリとつぶやく、その声色はいつものものに戻っていた
「公務?あぁ、いいよあんなの」
「よくないわよ、今はハイランドが優勢に思えるけれど、この戦い、どう転ぶか分からないわよ...それに...カラヤの戦士も援軍に向かわす気?」
「いいや、彼らはグリンヒルへの恨みを果たしたいそうだ_」
「...恨み?」
「現市長であるグリンヒルの市長テレーズの父、マチルダの騎士団長ゴルドー、そしてカラヤのルシア村長との間でね...友好の為の会議ってゆういわゆる同盟を組もうとして、ルシアの父親は毒殺された...その恨みじゃないかな?」
重い話を、楽しそうに語るヒクサク...
どうせこの男も一枚かんでいるのだろう
「...そう...お気の毒に...」
「ミアが暗い顔をする事はないよ...さぁ、部屋へ行こう、仮面をしているのも窮屈だし」
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「何をしてもらおうかな」
屈託のない笑みを浮かべ椅子に座るヒクサク、ミアは無表情のまま向かいのソファーへと腰かけた
今更ながらあの場でネクロードに首を噛まれてどうにかなればよかったなんて思ってしまう
「何がお望み?」
「今夜一緒に寝よう、同じベッドで」
「は;!?」
「そう言えば君と同じベッドで寝たことがないよね...君の寝顔を見てみたいし、大丈夫、何もしないから」
...少年のような顔でなんつうことを、と思ったがただの添い寝か
気にくわない小国を滅ぼしてくれるかい?
何て言われたらどうしようかと思ったが...
「それとも、あの気にくわない虫使いの村を君の力で服従させてもらうか...どっちがいい?」
「...;一緒に寝る方がいいわ」
やはり言ったか;
ミアはヒクサクの笑みを見つめながら、天使のような悪魔とはまさにコイツの事を言うのだろうと思い、ため息を吐いた