短編小説

□ご主人様。
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―――翌朝。


目が覚めた僕は、呆然とした。


「人間に、なってる……」


肌色の身体、長い手足、さらさらした、白い髪。


「嘘、夢………!?」


自分の頬っぺたをぎゅっとつねった。

痛い。


「僕、ほんとに、人間になってる…!!」


凄い!!

人間だ!!

人間になれたんだ!!


「僕はこんな声なんだ…」


なんか透き通った様な声。

ご主人様よりちょっと高いかもしれない。


「イケメン……??」


大きな目に、スラッとした鼻筋。

でもやっぱり、ご主人様の方がかっこいい!!


「ふあぁぁ…シロおはyって誰だお前!?!?」

「あっご主人様っ!!」

「うわあぁぁ!!寄るな変質者!!警察呼ぶぞ!!」

「え……っ」


ご主人様に近づこうとすると、凄く怖い顔で睨まれた。


「ご主人様僕です、シロです!!人間になったんです!!」

「はぁ!?シロはそこに…ってお前シロをどこにやった!?シロ返せ!!」


大きな声で怒鳴られる。


「違うんです、僕がシロなんです!!お願い、信じて下さい!!」


ご主人様の目を真っ直ぐに見て、必死に訴えた。


「全裸で人ん家にあがりこんで来た奴の何を信じろってんだ!!いいか、今警察呼ぶからそこ動くなよ!!」


そう言って携帯を取り出すご主人様。


「っご主人様!!」

「うおわっ!?」


一向に信じてもらえないのが苦しくて、僕は勢い良くご主人様に飛びついた。


その拍子にご主人様は床に倒れこんでしまった。


「ってめ、離せこのっ!!」

「ご主人様は僕を毎日朝の6時と夜の8時に散歩に連れていってくれました!!去年の僕の誕生日に光るボールと新しい首輪を買ってくれました!!昨日は藤岡くんの話をしてくれました!!」

「な……っ」

「僕はご主人様の弱点も知っています!!耳を舐めると一番くすぐったがります…っ」


ご主人様の耳をぺろ、と舐めた。


「っひ……っ!!」

「これでもまだ、僕がシロだって信じてもらえませんか…??」


涙を滲ませて、ご主人様を見た。


「………ほんとに、シロなのか…??」

「はい…。ご主人様は、僕の毛が真っ白だからシロという名前をつけてくれました」

「っ!!……シロ、なんだな、本当に…」


ご主人様がいつもの様に僕の頭を撫でてくれた。


「やっぱり、イケメンなんだなお前…」

「ご主人様には敵いません」

「そんなことねぇよ。羨ましいくらいかっこいい」

「ありがとうございます、嬉しいですっ」

「わっ、苦しいってシロ!!力強ぇなお前っ」


ご主人様とこうして会話できることが嬉しくて、ぎゅっと抱きついた。


「ご主人様、大好きです…」

「…俺も大好きだよ」

「ほんとですか…!?」

「あぁ、大好き」


ご主人様が、ニコっと笑って大好きと言ってくれた。

その笑顔に、僕は一目惚れしたんだ。


「ご主人様……っ」


ご主人様の首筋に顔を埋めて、舌でぺろぺろと舐めた。


「っは、シロ…っ、やめ、くすぐった…っ」


いつもと同じように舐めてるつもりだけど、犬より人間の舌の方が大きいからご主人様は余計に反応してしまう。


「耳が一番良いんですよね…」


耳を舐めて、かぷっと噛み付いた。


「っひぃ!!やめろって、シロ…っ!!」

「嫌なんですか??」

「んんっ!!ちょっ、しゃべんな馬鹿ぁ…っ」


頬っぺたをほんのりとピンクに染め、甘い息を漏らしながら僕を見上げるご主人様。


「ご主人様可愛いです…。僕、もっとご主人様に触れたい……ダメですか…??」

「……っ、良いよ…」

「っ!!ありがとうございます…」


ご主人様の唇をぺろっと舐めて、柔らかい唇に自分の唇をそっと重ねた。


うっすらと開いた口の中に舌を侵入させ、奥にいたご主人様の舌に吸い付く。


「っあ、ふ、ぅん…っ」


ご主人様が僕の背中に腕を回した。

2人の距離が縮まり、より深く口付けをする。


「んっ、ちゅくっ、ふ…っ」

「ちゅう…っ、っはぁ、むぅん…」


唇を重ねたまま、ご主人様のシャツをたくしあげた。

露になったピンク色の突起を親指で捏ねると、ご主人様の身体がぴくんと跳ねた。


「っふぁ、シロ…っん、だめ…っ」

「ご主人様…っ」


早くも主張を始めた2つの突起を両手で優しく撫で回すと、小刻みに跳ねるご主人様の身体。


「ん、ふっ、触って…っ」

「どこをですか…??」

「ふぁ、ここ、んぅ…触って…っ」


下半身の中心部に指を伸ばし、きゅっと握った。


「んぁっ、くふ、ぅん…っ」


ズボン越しに、自分のモノを指で擦る。

腰をゆっくりと揺らし、はぁはぁと熱い息を漏らす。


「ご主人様、えろいです…っ」


ズボンの中に手を突っ込み、ご主人様のソレを手で包み込む。


「シロ…っ」


自ら僕の唇に吸い付き、舌を捩じ込むご主人様。


「ぅん…っ、ふ、ん…ぁ」

「んむぅ、れろっ、ちゅく…っ」


ご主人様のモノを上下に擦ると、ねっとりと絡み付いてくる淫液。


「ふあぁっ、シロっ…もう、出る…んっ」

「まだ、我慢して下さい」

「や…っ、なんで…っ」


すっかり熱を帯びた自分のモノを、ご主人様の入り口に宛がった。


「し、ろ……っ」

「射れますね…」


ご主人様の腰を掴んで、ゆっくりと挿入する。


「っひ、ぁ、ああ…っ!!」

「…っ、ご主人様、力抜いて下さい…っ」

「むっ、無理…ひぃ…っ」


ご主人様の唇を塞ぎ、舌を絡ませる。


「ん、ぅ…はむっ…んん」


締め付けが緩くなったのを確認すると、ゆっくりと律動を始めた。


「んぁ!!あんっ、あんっ」

「ふっ、はぁっ、はぁ…」


動く度きゅうきゅうと絡み付く肉壁が気持ち良くて、夢中で腰を動かす。


「しろっ、シロぉ…っ」


僕の後頭部に手を回し、涙を浮かべながら必死に僕にすがり付くご主人様。

最初は痛そうな声をあげていたが、次第に甘い声に変わり、自ら腰を揺らす。


「ご主人様…っ、好きです…っ」

「んふぁっ、俺もっ、シロ好きぃっ!!」


どちらからともなく顔を近付け、唇を重ねる。

混ざり合った唾液を口の端から垂らし、深く深くお互いを味わう。


「ふっ、ちゅぷっ、むぅっ、んんっ…」

「っは、ん、ぴちゃ…っ」


次第に律動のスピードが速くなり、それに合わせて2人の息も荒くなる。


「あんっ!!いいっ、そこ、きもちぃっ!!」

「はっ、はぁっ、ここ、ですね…っ」


ご主人様のイイところを集中的に激しく突き、絶頂へと導く。


「あぁっ、ひ、ぅんっ、気持ちよすぎてっ、変になるぅ…っ!!」

「なって下さい…っ!!」


ラストスパートをかけ、お互いに無我夢中で腰を振る。

ズチュッ、ズチュッ、と淫らな音と2人の吐息が、聴覚を支配する。


「はんっ!!いくっ、ぁんっ、もうイクぅっ!!」

「僕もっ…ご主人様の、ナカにっ、出したいです…っ!!」

「んンっ!!シロの、いっぱいナカにっ、出して欲しい…っ!!」

「…っ分かりましたっ!!」


パンパンと音を立て最奥まで滅茶苦茶に掻き回すと、後孔がきゅうっとキツく締まり、僕たちは同時に達した。


「ふぁあ…っ、ドクドクって、シロのいっぱい注がれてるぅ…っ」

「っ、く…っ、はぁ…っ」


2人とも身体をびくんびくんと震わせ、余韻に浸る。

ゆっくりと自分のモノを引き抜くと、吐き出したものがどろりと流れ出た。


「あ、ん…っ、シロの、熱いよぉ…っ」


小刻みに身体を震わせ、ナカを満たす感覚に酔いしれるご主人様。


「ご主人様……」


お互いにキツく抱き合い、角度を変えて何度もキスをする。


「ふっ、んふぁ、し、ろ…っん」

「んむ…っ、ご主人、様…っ」


僕から注がれる唾液を、喉を鳴らして飲み込むご主人様が愛しくて、息も忘れて深く口付ける。


「はむっ、んぅ、ちゅく…っ」


達したばかりにも関わらず、自分のモノを反り立たせていやらしく腰を揺らすご主人様。


「お盛んですね、ご主人様…」

「や、言わないで…っ」


頬を染めて恥じらいながらも、目で僕を誘ってくる。


「良いですよ、もう一回ヤりましょう…っ」


再び熱を帯び始めたモノを、ズッとご主人様のナカに埋めた。


「今度は、手加減しませんよ」

「んっ、激しくしていいからぁ…っ」

「学校、行けなくなっても知りませんよ…ッ!!」


そう言って、僕はご主人様のナカをぐちゃぐちゃに突きまくった。


その後、ご主人様はフラフラになりながら学校へ行き、僕たちは夜にもう一度抱き合った。





→おまけ
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