短編小説

□近くて遠い。
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あの日の出来事から一ヶ月。




あれから神崎と宮間は、たびたび放課後の教室で身体を繋げるようになった。




「あっ、あ、う!ンぁ」


「神崎、声。抑えて」




床に手をつき、四つん這いになる神崎を後ろから突く。




「あぁ、君はキスで塞いでもらうのが好きなんだっけ?」


「んなワケ、ね、だろッ……!」


「へぇ、そうなの?……んっ」


「ンむッ!ぅ、ッはぁ……ン」


「ッぷは………ほら、キスするとナカがキュウって締まるよ?」


「っ!うるせぇな、いいから早く動けよ……!」


「……あぁそう、そういう態度取るんだ、ッ!!」


「ッうあぁあ゛ぁ!?」




宮間がナカを乱暴に突き上げると、神崎の顔が痛みで歪んだ。



「僕に逆らっちゃダメだって散々言ってるでしょう?僕だって君に酷いことしたくないんだ」




汗で濡れる神崎の額に、音を立ててキスを落とす。



「君が僕を受け入れてくれれば、僕はいくらでも君に快楽を与えてあげるよ」




酷くされたと思えば、優しい声でそう囁いてくる。


神崎は宮間の考えていることが掴めず、困惑していた。


幾度となく身体を交えても、「愛している」だの「好きだ」だの、そういったことを言われたことは一度もない。


ならば、なぜこの男は自分と関係を持つのか?


それが未だに、分からずにいた。




「……へぇ、まだ他のことを考える余裕があるのか」


「は?」


「なら、もっと僕でいっぱいにしてあげなくちゃ……ねッ!!」


「ッあぁあアァ!?んぁッ!待っ、あぁッ……!!」




神崎の腰をガッチリと掴み、自分の腰を激しく打ち付けた。




宮間の動きに連動して、神崎も前後に揺さぶられる。




「君の背中ッ、いいよね、細いけど程よく筋肉がついていて、オトコって感じだ……ッ」




バックで突いたまま、神崎の背中を縦になぞる。




「ッひ、ぁ!」




すると、自身を熱い肉壁が締め付けてくるのを感じた。




「へぇ?背中、イイんだね」


「あっ、ち、ちがっ!」


「じゃあたくさん触ってあげなくちゃ」



背中から脇腹、腰の当たりまでをゆっくり、いやらしく撫でると、揺さぶっていても分かるくらい神崎の身体がビクビクと痙攣した。




「はっ、君のイイトコロはたくさんあるんだね。もしかして全身が性感帯なの?」




宮間が問いかけても、神崎はただ掠れた声で喘ぎ声をあげるだけだった。




「喋る余裕もないのか?フフッ、それはいい。僕だけを感じてくれている証拠だ……ッ!」




ラストスパートをかけ、教室にパンパンという音が反響する程激しくピストンを繰り返す。



分厚い肉壁をこじ開け、奥にある前立腺まで一気に擦り上げる。




「あひッ、ぁ、ひぐッあ!!もう、もう……ッ!」




強烈な快感に理性が崩壊しつつある神崎は、真っ赤な舌をチロチロと覗かせ、喉仏がくっきり見えるほど首を仰け反らせて与えられる悦びにただひたすらよがった。




「ッ、ナカに出して欲しい?それとも、背中にかける……ッ?」




限界が近いのか、宮間の息も荒いものになっていた。




「あ、ナカ、ナカがいいっ……ッ!!」




予想していた通りの答えに、宮間の口角が上がる。




「ハッ、たくさん、出して、あげるからッ、ちゃんと、飲み込んで、くれよッ!」


「うんッ、出して、宮間の、早く……ッ!」




わざと後ろを強く締め付けると、それに耐え切れなかった宮間が直腸めがけて勢いよく射精した。



「っ、く、ぁ……ッ!!」


「ッは、ぁ、あン……ッ」




熱くてドロドロとしたものが、腹の中にどんどん溜まっていく。




その感覚に身震いしながら、神崎もまた、達した余韻に浸っていた。
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