短編小説
□ご主人様。
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「シロ!!ただいま!!」
「ワンワンっ!!」
僕のご主人様。
優しくて、かっこよくて、たまに泣き虫。
そんなご主人様が、僕は大好き。
「シロ、今日な、藤岡が俺にマック奢ってくれたんだ!!良い奴だよなーアイツ!!」
ご主人様はいつも、僕に色んなことを教えてくれる。
学校であった出来事とかを、笑顔で話してくれるんだ。
でも、その笑顔を見る度に思う。
『僕も人間になりたい』って。
そうしたらご主人様ともっと色んなことをして遊べるし、ご主人様の友達みたいにご主人様を喜ばせられる。
「シロが人間になったら、きっとイケメンなんだろうなぁ」
僕の頭を撫でながら、ご主人様が笑顔で言う。
「うわっ、シロ、指舐めすぎだってっ」
人間になれたら、もっとご主人様に触れられる。
ご主人様をぎゅってすることもできるんだ。
絶対人間になってやる。
僕は心にそう誓った。