お話(テニプリ)

□少年ロマンシア
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君の高さから見る世界は

僕がいつも見ている世界とは

比べものにならない程

素晴らしいものなのだろう。



【少年ロマンシア】


不二は前を歩く乾の背中をじっと見つめた。
大きくて、広い背中だ。
触れるととても温かくて、自分は少し低体温だから温かいものに触れているととても気持ちいい。

くいっと乾のシャツを引っ張る。
乾は歩みを止めて、後ろを振り返った。
「どうした、不二」
「んー、別に何でもないんだけど…」
シャツを掴んだ手はそのままだ。
「ねえ、乾は身長どれくらいあるの?」
うーんと少し考えて。
「最後に測った時は184だったな。不二は?」
「それ、聞く?167だよ!嫌味!」
「まだ伸びるかもしれないだろ」
「乾の推測的計算ではどのくらいの確率な訳?」
「……そうだな…、0.04%といったところか」
「……絶望的じゃん……」
「お前の骨格からいって恐らくもう………いや、辞めておこう」
「それ、もうほぼ答え出てるから」

不二が爪先立ちしてみた。
それでも乾には全然届かない。
17センチの身長差は意外と大きい。

「乾くらい高かったら、見える世界は違うんだろうな」
「見せてやろうか」
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