桂木大地

□中庭
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桂木「・・・・で?
   これは、どういう事なんだ?」
2人を探して中庭に出たらしい桂木が
いつの間にか、羽純の後ろに立っている
彼女に自分の上着を着せ掛けながら、2人をジロッと睨みつけた

そら・海司「「 うわっ、班長!? 」」
それは完全に鬼の形相で、思わず後退ってしまう

『あ・・・桂木さん?』
振り返るようにして桂木の方を見ると、心配そうに羽純を見ていた
桂木「大丈夫か?」
ハンカチを取り出し、羽純の髪を拭いてやる

『はい、びっくりしただけですから・・・』
微笑を浮かべてそう言うと、桂木が安心したように微笑んだ


そら「・・・っ、これは海司が・・・っ!」
何かを察したそらが、思わず声を上げる
海司「えっ!?ちょっ、そらさん!!」
我に返ったように、そらを見た

そら「海司が避けたからだろ!?」
海司「や、まさか羽純が居るとは思わないじゃないですか!」
2人の擦り付け合いを聞き、桂木が溜息をもらす
呆れて物も言えない、とはこういう事かと思わずにはいられなかった

桂木「そら、海司・・・」
静かな口調に、ただならぬ気配を感じて黙り込む2人
桂木「そもそも、休憩中とはいえ、何を遊んでるんだ?」
そう言いながら睨みつけられ、まるで蛇に睨まれた蛙のようだ

そら「その・・・
   暑いんで・・・水撒きを手伝おうかなぁ・・・と」
桂木「・・・」
海司「そ、そうなんっス!」
桂木「・・・・・・」

長く息を吐き出すと、言葉を飲み込むように桂木が目を伏せた
そら・海司(ヤバい!あれはマジでヤバい!!)
2人の目には、桂木の背後に、怒りの形相をする閻魔大王がハッキリと見える


『あの・・・桂木さん?
 ホントに私、大丈夫ですから・・・』
ただならぬ気配を感じた羽純が、おずおずと桂木の方を見た
桂木「・・・・羽純」
困ったように微笑むと、湿った髪を撫でる

桂木「きみは・・・本当に優しいんだな」
そう優しく微笑んだ後、そらと海司の方を向き
再びジロリと睨んだ

桂木「・・・総理への報告はしないでおいてやる
   その代わり、明日は特別トレーニングだ、いいな!」
そら「えぇっ!?あのスペシャルメニューですかっ!!」
桂木「不服か?」
桂木の目が“羽純の前だから、これで許してやるんだぞ”と言っている

そら「ボソッ・・・スペシャルメニューかぁ・・・orz」
海司「・・・・」
桂木「不服なら、強化ミーティングも付けてやる!覚悟しておけ!!」
そら・海司「 Σ(゜口゜; 」

そのWコンボでは、下手をすれば家に帰れないかもしれない
しかし、こう言った以上、必ず実行するのが桂木だ
どうやら・・・2人は逃れられないらしかった

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