一柳 昴

□花火
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今日は花火大会
平泉から、官邸からでも見えると聞き
一緒に花火を見る約束をしている
夕方、羽純が官邸を訪れると、目を丸くした真壁に出迎えられた

真壁「うわぁ、浴衣ですか?」
『そうなんです
 今日は、お父さんと花火を見る約束なんで
 せっかくだから、着てきちゃいました♪』
嬉しそうに話す羽純に、真壁も照れながら笑う

真壁「とても、お似合いです」
『ホントですか?ありがとうございます』
その後少し他愛も無い話をし、官邸の中に入った

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『お父さん!』
廊下の向こうに平泉の姿を見つけて、声をかける
平泉「あぁ羽純、来てくれたのか」
その声に気付き、振り返る平泉の方へ羽純が駆け寄って行った

平泉「浴衣か・・・
   うん、とても似合っているよ」
そう言いながら目を細め、嬉しそうに微笑む
遠い誰かを思い出しているようにも感じられた

しかし、心なしか残念そうな表情へと変わってしまう

『どうかしたの?』
平泉「それが・・・急な予定が入ってしまってね
   これから出かけなくてはいけないんだ」
溜息を洩らすと、とても残念そうに言った

平泉「せっかく来てくれたのに、すまないね
   羽純も、浴衣を着てくれたというのに・・・」
『ううん、お仕事なんだもん・・・仕方ないよ』
総理という立場上、急な面会や仕事が入るのは日常茶飯事だ

平泉「今度、ゆっくりと時間を取るから」
『うん、でも無理しないで?
 浴衣を着る機会も、またあると思うし・・・』
そう言って微笑みながら、平泉が執務室に向かうのを見送った
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