一柳 昴
□メッセージ
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昴からプレゼントされた、バングルタイプのブレスレット
見た目はシンプルだが、よく見ると美しい模様が彫られている
そして、何かメッセージも彫られているようだった
(なんて書いてあるんだろう・・・?)
腕から外して、目を凝らす
じっくり見ようとしていると
部屋がノックされ、桂木が入ってきた
桂木「羽純さん、今、よろしいですか?」
『あ、はい』
ブレスレットを机の上に置き、桂木の方を向く
桂木「明日のことなんですが・・・」
明日は、平泉と公務に出かけることになっており
そのことについての簡単な説明だった
・
・
桂木「ところで・・・
そのブレスレットが、どうかしたんですか?」
『えっ?』
桂木の視線の先にあるのは、机の上のブレスレット
羽純は、それを大事そうに手に取った
桂木「私が来た時、凝視してたでしょう?」
『あ・・・そうですね
(そういえば、桂木さんって英語が得意なんだった)』
ふと、それを思い出し
桂木に聞いてみる事にした
『このブレスレット、何か文字が彫ってあるんです』
そう言いながら手渡すと
受け取った桂木が、ジッとブレスレットを見た
『何か意味があるのかな?と思って・・・』
桂木「・・・・・
羽純さん、これは・・・もしかして昴が?」
しばらく凝視した後、確信したように問いかけてくる
『え?ぁ・・・はい』
うろたえながら答えると、桂木はクスッと笑った
桂木(昴のやつ・・・)
優しく微笑むと、ブレスレットを羽純に返す
桂木「私に聞かれるより・・・
きっと、昴に聞いた方が良いですよ?」
意味深に微笑まれると、何も言えなくなってしまった
とりあえず、英文であることは間違いない
困ったように桂木を見上げるが
どうやら教えてくれる気配はなく
・・・結局、ふりだしに戻ってしまった