その他 SP達

□【その他】新年会
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年が変わって新年
官邸でも穏やかな正月を迎えていた
広間では内輪の新年会が行われており
もちろん、桂木班も全員参加していた

平泉「楽しんでいるかね?」
立食形式で食事を進める様子を見ながら声をかける
桂木「・・・我々のために申し訳ありません」
持っていた皿をテーブルに置きながら苦笑した

平泉「羽純にお願いされたら、親としてはね」
そう言って柔らかく笑う
平泉「外だと、SPの君達と一緒に食事することができないし」
桂木「はい、もちろんです」
SPの顔で答える桂木に平泉は苦笑した

平泉「今日は、気にせず楽しんでくれれば良いよ
   羽純が楽しそうだと、私も嬉しい」
そう言いながら、ふと羽純の方を目を細めて眺める
桂木も同じように視線を移した

その2人の視線の先
案の定、羽純はSP達に囲まれていた

そら「ねーねー羽純ちゃん、明日は時間ある?」
『あ、えっと・・・』
瑞貴「そらさん、抜け駆けしないでください」
海司「そうですよ!」
言い合いに挟まれ、羽純は苦笑する

海司「一緒に初詣に行こうぜ、羽純」
そら「え〜、俺とだよね?」
瑞貴「僕との方がいいよね?」
昴「何言ってる、俺とだろう?」
『いえ、あの、私・・・』
返事に困っていると、4人の頭からゴツンと鈍い音がした

桂木「お前達、新年早々何をやってる!?」
どうやら、さっきのは桂木からの鉄槌らしい
SP達「「「班長っ!」」」
桂木「去年に引き続き、高瀬さんを困らせるな!」
一喝されて黙り込む面々・・・

桂木「高瀬さん
   初詣に行かれるんでしたら、ご一緒しましょうか?」
昴「いくら桂木さんでも、抜け駆けは見逃せませんね」
桂木「何を言ってる
   お前達がもめるから仕方なくだな・・・」
そら「ボソッ・・・仕方なくって顔じゃないじゃん」
ワヤワヤと言い合う5人を、羽純は再び苦笑しながら見ていた

石神「・・・新年早々、賑やかな連中ですね」
『あ・・・』
後ろからいきなり声がして振り返ると
遅れて来たらしい公安の2人が立っていた

後藤「羽純、明けましておめでとう」
『おめでとうございます
  今年もよろしくお願いします』
石神「今年は・・・
   お祭り連中に振り回されないと良いですね」
ニヤリと笑いながら眼鏡を押し上げる

そら「あ〜っ、石神っ!いつの間にっ!?」
2人の姿を見つけ、駆け寄ってきた
昴「羽純、横分けコンビまで呼んだのか?」
『はい、お世話になってますから・・・』

昴「律儀なヤツ」
羽純の頭を撫でようと手を伸ばすと
後藤に叩き落とされ、そのまま黙って睨みつける
後藤「何だ?」
表情を崩さないまま、冷たく睨み返した

昴「お前こそ何のつもりだ?」
後藤「馴れ馴れしく羽純に触ろうとするからだろう」
お互いが噛み付くかの勢いで睨みあう
昴「何だと!?」
後藤「総理の娘に対して、馴れ馴れしいって言っただけだ」
このまましばらく言い争いが続きそうだ

石神「まったく・・・」
後藤と昴の様子に溜息をついていると、後ろから桂木に肩を叩かれる
桂木「石神、今年もよろしく頼む」
石神「できれば、関わりたくありませんね」
桂木「まぁ、そう言うな」
苦笑しながら言うと、石神も微かに笑った

平泉「・・・親としては複雑だね」
ふいに声がして振り向くと、平泉が歩み寄っていた
平泉「皆の事は信頼しているが・・・」
その言葉に、桂木と石神が顔を合わせて苦笑する

平泉「まぁ男親にとって
   娘の側にいる男は、全て警戒すべき存在だからね」
桂木「申し訳ありません
   アイツ等には厳しく言っておきますので・・・」
申し訳なさそうに言うと、平泉がふと真顔になった

平泉「・・・君達もだよ?」
2人を覗き込みながら言うと、フッと意地悪く笑う
平泉「フフッ、まぁ今年もよろしく頼むよ」
そう言うと、何とも言えない余韻を残し、立ち去っていった

お互いの部下を見た後
桂木と石神が顔を見合わせて溜息をつく
今年も前途多難な予感がしていた

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