その他 SP達

□【後藤誠二】お花見
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・・・トイレに行っていた羽純が戻ると
いつの間にかゲームが始まっていた
よく見ると、石神や後藤まで参加している

(何だかんだ言っても、仲良しなんだなぁ・・・)
皆を見ながらシートに向かっていると
いきなり桃田部長が立ち上がった

桃田「せや、今度は景品を付けよぅやないか!」
そら「え?なになになに〜」
桃田「次のゲームの優勝者には・・・っ!」
引っ張るような物言いに、全員が息を飲む

桃田「総理のお嬢さんと、デートできる権利やぁ〜っ!」

『えぇぇぇっ!?』
いきなり自分を景品にされて驚きを隠せない

桃田「こんだけのベッピンさんや、チャンスやでぇ」
桂木「ちょっ!部長!?
   それは、高瀬さんに失礼ですよ」
慌てて止めるが、桃田は面白そうに笑うだけだった
桃田「なんやキミ、ほんま堅いなぁ・・・」
桂木「そうじゃなくてですねぇ・・・」

桃田と桂木のやりとりを呆れたように見る石神
石神「やれやれ・・・
   警護課ではセクハラが許されているんですか?」
そら「スパイ石神は黙ってろよ!」
石神を睨み付けておいて、羽純の方へ笑顔を向ける

そら「羽純ちゃんはどう?
   やっぱり自分が景品ってイヤ?」
瑞貴「イヤだったら、イヤって言っても良いんだよ?」
羽純の横に立ち、肩をポンと叩く
瑞貴「でも羽純ちゃんがOKなら
   僕、頑張っちゃうんだけどな」
昴「別にいいよな、羽純?」
いつの間にか昴までが後ろに立ち、肩をポンッと叩く

『・・・・・わかりました』
有無を言わせない雰囲気に、溜息がもれる
ここは、景品になることを了承せざるを得ないらしい

石神「良いんですか?」
『そうですね、たまには・・・良いんじゃないですか?』
困ったような笑顔を向ける羽純に、石神が溜息をつく

石神「・・・では、私も参加しましょう」
『え?石神さんもですか!?』
石神「大丈夫です
   公安として、セクハラを許すわけにはいきません!」
キラリと石神の眼鏡が光った・・・ような気がした

『・・・はぁ、そうですか』
呆れたような心配なような、複雑な気分でシートに座る

そら「何で決める〜?」
海司「腕相撲とか?」
瑞貴「あっち向いてホイとか・・・」
昴「一気飲みでいくか?」
真壁「カラオケも良いですねぇ」
桂木「・・・俺は何でもいいぞ」

シートに腰をおろし
少し離れた場所にいるSP達の様子を見る
何だか全員がやる気満々で、その様子に羽純から笑みがこぼれた

後藤「おい」
(?)
ふいに上から声がして見上げると、すぐ側で後藤が見下ろしていた

『あれ?後藤さんは参加しないんですね』
後藤「当り前だ
   デートの権利だなんて、くだらない」
表情は読み取れないが、何だか声が不機嫌そうだ
『そうですか?』
しかし、羽純は面白そうにクスクスと笑うだけだった

後藤「お前もこんな茶番に付き合うな」
そう言うと、羽純の側にしゃがんで腕をつかむ
そのまま腕を引きながら、一緒に立ち上がった

『クスクス・・・もしかして・・・ヤキモチ、ですか?』
立ち上がりながら顔を覗きこむ羽純にそう言われ
一瞬にして後藤の顔が赤くなる
後藤「ばっ!・・・何を言って・・・っ!?」
つい口調が強くなり、腕を掴んでいた手を離した

後藤「俺がヤキモチなんて・・・ブツブツ」
照れくさいのか、そう呟きながら羽純に背を向ける
『後藤さん?』
心配そうに声を掛けると
後藤が口元に笑みを浮かべながら振り返った

後藤「ほら、もう行くぞ・・・・・羽純」
そう言いながらスッと手を差し出す
『うん♪』
差し出された手へ、嬉しそうに自分の手を重ね
そのまま後藤の腕に縋り付いた

『でも・・・良いんでしょうか?』
後藤「あいつらは、放っておいて構わないだろう」
チラッとSP達の方を見て意地悪く笑う

『・・・誠二さんって、イジワルなんですね』
後藤「意地悪?
   自分の女が景品にされたんだ
   これくらい、どうってことないだろう?」
自分の腕に縋る羽純の髪を撫でながら優しく微笑んだ

向うでは未だにゲームが続いているようで
2人のやり取りに気付いた者はいないらしい
後藤「いつまでもやってろよ・・・」

羽純に聞こえないように呟くと
そのまま2人は去ってしまうのだった・・・

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