桂木大地

□紅葉
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紅葉も深まったある日
桂木の休みに合わせ、2人で紅葉を見に行くことになった
それも、珍しく桂木からの提案で1泊旅行ということだった

『どこに行くんですか?』
桂木の運転で目的地へ向かう
桂木「・・・俺だけの、秘密の場所だよ」
『秘密の?』
不思議そうに尋ねる羽純に、桂木がクスッと笑った

桂木「ちょっと山奥だが、静かでいい所なんだ」
『そうなんですか、楽しみだなぁ・・・』
本当に楽しそうに外の景色を眺める
そんな様子をチラリと見ながら、桂木も嬉しそうに運転していた

 ・
 ・
 ・

・・・・どれ位走っただろうか
街から離れ、静かな山道に入っていく
道すがら見える紅葉も、一面赤く色付いていた

そして、車が停まったのは老舗の雰囲気が漂う料亭だった

『え?ここなんですか!?
(なんか豪華な感じだなぁ・・・)』
桂木「あぁ、ここは料亭なんだが、宿泊もできるんだ」
『へぇ・・・“大人の隠れ家”って感じですね』
目を丸くしながら建物を見る羽純に、微笑みながら手を差し出す

桂木「そうだな・・・
   ほら、おいで」
『はい♪』
差し出された手に自分の手を置き、そのまま軽く指を絡ませると
寄り添うように玄関をくぐった
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