ひとり語り

□【桂木大地】桂木警部の苦痛
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2011年2月の拍手SSより作成した物です

ちなみに拍手SSの内容はコチラ↓
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海司「はぁ・・・毎日寒いっすね」
そら「外の警護は辛いよなぁ」
瑞貴「あれ?一柳さん
   何のリスト見てるんですか?」

昴「あぁ、去年のチョコリストだ」
全員「「・・・・」」
そら「あぁ、はいはい
   今年もそんな季節ですね〜だ!」
海司「そらさん・・・
   いかにもヒガんだ台詞ですよ」

瑞貴「今年は・・・
   班長と昴さん、どっちが多いですかね?」
昴「フフン 俺に決まってる」
そら「瑞貴!なんで2人限定なんだよ!?
   俺だって、そこそこ貰うんだからねっ」

桂木「・・・そうか、そんな時期なのか」
全員「班長!?(居たんだ)」

海司「ボソッ・・・班長、もう疲れた顔してるよ」
瑞貴「ボソッ・・・そうですね、苦痛ですもんね」
そら「ボソッ・・・笑って受け取るだけで良いのにな」
昴「ボソッ・・・女慣れしてないのも考えものだな」
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 ↓
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さて、桂木警部の苦痛とは?

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バレンタインデー間近
この時期に本庁に行くのは気が重い
なぜか毎年この時期になると
必ず桃田部長から呼び出しがかかる

まったく・・・
誰かに頼まれて呼び出しているとしか思えない

溜息まじりに警視庁の玄関を見上げる
自分に渇を入れるように姿勢を正すと、玄関をくぐった
足跡を響かせながら警備部の部屋へ向かう
数人の婦警とすれ違って軽く会釈

今から帰りを思うと、本当に気が重い・・・

警備部での打ち合わせを終え、部屋を出る
その途端、湧き上がる歓声に迎えられた

婦警1「桂木さぁ〜ん、コレ、貰ってくださぁい」
婦警2「ずる〜い、桂木警部、私も!」
婦警3「何なら私ごと貰ってくださ〜い」
桂木「あ、いえ・・・私は、その・・・っ」

やんわりと受け取りを断ろうとするのだが
その気配を感じたように、婦警達はグイグイと迫ってくる
いつの間にか壁に追いやられてしまった

入れ替わり立ち代わりで婦警達に迫られる
気持ちは嬉しいが、困ってしまう
いくら何でも、女性に手出しはできないからな
気がつくとポケットへ強引に押し込まれているんだ

はぁ・・・

何度も婦警達に囲まれながら、やっと玄関までたどり着く
これなら運動会の障害物競走の方が何倍もマシだ
上着やネクタイ、シャツまでもヨレヨレになってしまう
どんな警護よりも疲れてしまった

警官「桂木警部!
   ちょうど官邸にコレ届けるところなんですよ
   乗っていかれますか?」
桂木「あぁ・・・」

『コレ』とは、警護第1係と書かれたダンボール
もちろん中身はチョコレートだ
毎年ダンボールに入って官邸に持ち込まれている
車に乗り込むと、甘い香りがただよっていた

精神的にも疲れ果てた俺は、シートに深くもたれる
またアイツ等に笑われそうだな
はぁ・・・きっと14日も呼び出されるんだろう
桃田部長が悪魔に見える

俺が・・・本当に欲しいのは1つだけ

おそらく手渡されるだろうけど・・・
けれどそれは、俺が欲しいものとは少し違う
あなたの言葉を借りるなら『義理ではなく感謝チョコ』

あなたの『本気』
どうすれば手に入りますか?

------------------------- END ---

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