短篇
□貴方に追われるのは私だけ
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事件から1ヶ月は過ぎただろうか
街はまだ完全には復旧出来ていないものの、街の活気は完全に戻っていた
それもこれも、ガレーラカンパニーの働きが大きかったからで、
パウリーもこの1ヶ月、忙しく動き回っていた
それはもう、元気に
「パウリーさーん!!!待ってー!!!」
「待てパウリー!!今日こそは返して貰うぞ!!!」
バターン!と勢いよく入ってきたのは、ガレーラカンパニーの副社長になったパウリーで
「悪い!匿ってくれ!!」
と勝手に店の奥に入って行く
ほんと、元気よね
パウリーのファンや借金取りの始末をするこっちの身にもなってほしい
『パウリー。帰ってきたらシメるからね』
と店の奥へ忠告
ファンはともかく、借金が増えてる意味が分からん
ちゃんと聞こえたのか、裏口のドアの閉まる音
それと同時に、パウリーのファンや借金取りが、
店に入ってきた
「こんにちは。うちのは居ませんよ?見つけたら、死なない程度に痛め付けてくれても結構ですよ」
と笑顔で追い返す
ほんと、よくあんな借金まみれの男と一緒になったよね、と自分に感心する
パウリー、あんたってやつは、どうしてこう、いろんな人に追いかけられるのかね
でも、
貴方に追われるのは私だけ
そう考えたら、わたしってちょっと幸福者かもね
なんて考えたわたしは、もう末期なのかも知れない