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□爛々と輝く瞳
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夜風が頬をすべる。
すう、と空気を吸ってゆっくりと吐けば、緊張がいくらか和らいだ気がした。

右手が包み込んだ彼女の左手は、夏だというのに酷く冷たい。
ばくばくとうるさい胸にムカつきながら、冷たい彼女の手を握る己の手に力を込める。
ぎゅっと。強く強く。痛いと言われたって離す気はなく。


「葉に見られたらやべーな」

「そうね」


ならこの手を離しましょうか。
そう彼女が言うので思わず目を向けると、アンナの両目が鋭く光った。



爛々と輝く瞳

 

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