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□のらりくらり
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逃げるアンナの手をしっかり握り、返事を求めるように茶色の目を見つめれば、今度は目をそらされる。


「何でだよ、アンナ、やっぱり俺より葉なのかよ」

「そうは言ってないわ」



たった一言、「葉よりあなたが好き」とそう言ってくれればいいんだ。
なのに返ってくるのは曖昧な返事ばかりで、いい加減ブチ切れそうな自分をぐっと抑え込む。

確かに俺は葉よりあらゆるものが劣ってる。
だけどアンナを想う気持ちなら誰にも負けない自信はあった。
「そういう所があんたは子供っぽいのよ」アンナの言葉の意味がわからず首をかしげた。


「お夕飯、作らなきゃだから」


そう言ってするりと俺の手から腕を引き抜き、台所へすたすた歩き去っていく。


「俺お前が好きなんだよ」


ぽつりと独り言のようにそう言っても、アンナはこちらを振り返りもせずにただ冷蔵庫をあけながら、言う・


「そう。嬉しいわ」



のらりくらり


 

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