SOUL EATER book4

□望まれた世界
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ブラマカとソウ椿が死んで転生した後のキドリズの話。


「ひどく詰まらないものだ」


思わず漏らした呟きを聞いてかリズが顔を上げた。


「何がだよ?」

「わからんか」


書類整理をしていたリズの手が止まる。
それから1つため息を吐いた。


「寂しくなったよな」


そしていくつかの書類を俺に投げ渡す
その書類にはかつての友の写真がクリップで留められていた。


「見たくない」

「その書類が送られてきた時にもそう言ってたよ。報告を聞いた時には聞きたくない、ってまるで子供みたいにさ」


まさかみんな死ぬなんてな。
リズは事も無げにそう言った。


「残ったのは結局私たち3人」

「……」

「また3人に戻っちまった」

「こんな世界っ」


望んでいなかった!言い終わる前にリズの指先が俺の唇の上に乗った。
儚げに揺れる双眸が、それ以上は言うなと、訴えていた。

泣きたいのは俺もだよ。
この世界の上に立つ者としてそうは言えまい。
俺は大人しく口をつぐんだ。


「みんなみんな好きだった」

「……」

「こんなことなら」

「言うな。もういいリズ。整理は俺1人でやる。疲れてるんだ。俺たちも歳をとった」

「馬鹿言うなよ」


俺の言葉にリズが鼻で笑う。


「歳をとってるのは私とパティだけだ」


彼女の刻み込まれた皺が、濁った青い瞳が、
俺1人を置いていく。



望まれた世界



 

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