SOUL EATER book4
□良くも悪くも
1ページ/1ページ
つい先日、キッドに友達ができた。
私の友達でもあるソイツらは結構いい奴らで、
最初こそ食ってかかってきたソウルとブラック☆スターも、次に会うときには馴れ馴れしくコイツの肩を掴んできた。
コイツは鬱陶しそうにしてたが。
「キッド、なぁキッド」
「なんだリズ?」
「もういいんじゃねーの」
「まだダメだ。右にちょっと歪んでる。クソッ」
面倒くさいなぁ。口には出さなかったが恐らく顔に出てたんだろう、
キッドは私の顔を見ると一瞬すまなそうな顔をした。
今日は最近出来た友人と遊びに行くってのに、コイツはずっと玄関の額縁を直してる。
もう遅刻決定だろう、どうせブラック☆スターも寝坊してくるだろうからいいのだけれど。
「パティ、キッドのやつ張り切ってるな」
「そうなの?いつも通りウザイだけじゃね?」
「ははは、パティにはまだわからんかー」
頭上にハテナを浮かべるパティににっと笑って、キッドに視線を戻す。
いつも以上にシンメトリーを気にするコイツの、さらさらと動く髪とそこから覗く肌をじっと見る。
綺麗だという言葉が酷く似合うせいで、キッドは近寄りがたい。
それは肩書きのせいもあるのだろうが。
本人がそれを気にしているのかはわからないが、こうして張り切ってる辺り、友人ができたことが余程嬉しかったんだろう。
「キッド、キッド。なあキッド」
「なんだリズ」
「よかったな」
笑ってそう言うとキッドは不思議そうな顔を浮かべた。
良くも悪くも