SOUL EATER book4
□口裏を合わせましょ
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あーあー、と思わず漏らした声に、椿はどうしようと救いを求めるような表情で俺を見上げた。
「椿がつまみ食いなんて、珍し」
「ちち違うのだっておいしそうで…」
「マカとブラック☆スターに見つかったらなんて言われるか」
「違うの違うの、あのその」
ケーキの前でわたわた手を振り言い訳になってない言い訳を並べる椿に、俺はにやりと笑ってみせた。
「かーわい」
「そっ!?」
「いい案があるぜ椿」
顔を真っ赤にして押し黙る椿。
上がる口角を抑えようともせず俺は椿の耳元に唇を寄せた。
「サンタさんが連れてきたトナカイさんが食っちまったって言やぁバレねぇよ」
「それはさすがに…」
「あいつら未だにサンタ信じてるからな」
「…そうなの?」
「あぁ。まぁ椿、ここは俺の案に乗っかって、
口裏を合わせましょ」
あいつら馬鹿だからバレねぇよ、と何度か言って聞かせると椿は納得したような表情を見せた。
クックと笑いながら椿の口元のクリームを拭ってやると、彼女は恥ずかしそうに口元を手で覆った。