SOUL EATER book4
□綺羅星のごとく
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「ブラック☆スターとマカって仲悪いようで良いよな」
ぽつり、目の前で喧嘩する二人を見つめながらソウルくんが呟いた。
そうねぇ、なんて返しながらソウルくんからブラック☆スターへ視線を流す。
ぼんやりと喧嘩する二人を眺める。
確か喧嘩の理由は落とした食べ物に三秒ルールは適用されるかの議論だったかしら。
「あんなお行儀いい椿ちゃんと暮らしてるのにあんたはなんでそんなきったないのよ!」
「あぁ!?テメーもっぺん言ってみろよ」
何度でも言ったげるわよ!とマカちゃんが叫んだところでソウルくんがハァと溜め息を漏らす。
その溜め息は二人には聞こえなかったようで、口喧嘩はまだ続行されている。
「痴話喧嘩は見てないところでやってほしいよな」
「あれぐらい本音ぶちまけられるっていいわよね」
「……帰るか椿」
くるりと踵を返しながらソウルくんが言うので、その背を追うように私も歩く。
カツンカツン、と廊下を歩くソウルくんの一歩後を、歩きが早い彼に置いてかれないように歩く。
開いた窓からふわりと風が入り込んで、私の髪を浮き上がらせる。
さっきまでの二人の口喧嘩が遠くに聞こえ、一瞬振り向き立ち止まるがソウルくんに置いていかれてしまう、と再度歩き出した。
「………、…椿」
「なぁに、ソウルくん」
言いづらそうに重たそうな口を開くソウルくんに、私は驚きながらも聞き返す。
「後ろ歩くの、やめてくれ」
「えっ」
「歩きづれぇよ」
横に並んで歩けということらしいが、少し思い悩み一歩を踏み出せない。
自分の横を指差すソウルくんに、苦い表情を見せながらこちらも重たい口を開く。
「後ろ、歩くの、駄目かしら」
「……。俺らも喧嘩始まりそうだな」
ギザギザの歯を見せおかしそうに笑うソウルくんが、もう一度歩き出す。
一歩後ろを歩くのはブラック☆スターだけにしようかしら、と私は一歩大きく踏み出して、笑いながら彼の隣りに並んだ。
綺羅星のごとく
綺羅星の意味を調べた時に「地位の高い人や明るいものが多く並ぶようす」とあってブラスタとマカのことだな!と思いました。