SOUL EATER book4

□熾烈なお団子闘争
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素直にちょうだいと言ってもブラック☆スターは手に持ったそれをくれたりはしないだろうと。
ぴたりと動きを止めて彼の目をじっと見つめる。
にやりと笑った彼の一瞬の隙を感じ取って利き手を素早く伸ばす、彼の手に持たれたお団子めがけて。

さすが武神様と言うべきか、彼は私の動きを素早く読み取って身をひねって私の手をかわす。
体勢を崩し地面に倒れこむ少し前に地面を右足でダン、と勢いよく踏んで、
今度は左手をブラック☆スターの右手へ伸ばす。

さ、と音もなく彼は私の左手をかわし、己の左手で私の左手を掴み一気に引く。

ズシャン!と大きな音や痛みとともに私は地面に倒れ込んでいて、
悔しいと顔を歪ませたところでブラック☆スターの嘲るような言葉が上から降ってくる。


「ダッセェなぁ」


その言葉を聞いてすぐさま手のひらを地につけ立ち上がる。
が、目に入ってきたのは。


「ごちそうさま」


団子を頬張り嬉しそうな顔を見せるブラック☆スターの表情と、その手に持たれたもう何も刺してはいない串。
最低、という言葉をこれ程まで気持ちをこめ言ったことはない。
にやにやと嫌な笑みを浮かべるブラック☆スターに私はわなわなと震えていた。


「マカちゃん、おかわり、あるから…」


椿ちゃんの言葉を聞いて、私とブラック☆スターは目を合わせる。

第2ラウンド、開始ね。
口には出さず心の中で呟いたのに、ブラック☆スターがにやりと笑ったあと、「次も負けねぇぞ」という声が聞こえた気がした。




熾烈なお団子闘争

 

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