SOUL EATER book4
□辛いのは最初だけ
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しっとりとした雰囲気の部屋の中でブラック☆スターは長く息を吐いた。
温かな息が僕の頬に当たる。余裕のない水色の瞳はジトリと潤んでいた。
口の片端を弧を描くようにゆるりと上げそっとブラック☆スターの顎を持ち上げる。
潤んだ目が細くなり僕をにらみつける。
「かわいい」と思わず声を漏らす。ピクリとブラック☆スターの眉が動く。
「マカ」ブラック☆スターが怒気を孕んだ声を絞り出す。僕は目を細めて笑ってやった。
ゆっくりと唇を重ねる。舌で彼女の唇を割ろうと試みたが、強情にきつく結ばれた口は開きさえしない。
ちゅ、と小さな音が部屋に響いた。
本棚に陳列された分厚い本たちが僕を責めるように見下ろす。本如きが。
「大丈夫だよブラック☆スター」
唇を離し水色の髪に指を絡める。細い髪はさらりと僕の指からすり抜け彼女の首筋をくすぐる。
「キスくらいすぐ慣れるさ」
辛いのは最初だけ